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「INNOVATION LEAGUE コンテスト」の受賞者がスポーツ庁に集結

スポーツの可能性拡大を 先鋭4社が室伏長官とガッツリ約束

2021年03月23日 11時00分更新

文● 中田ボンベ@dcp 編集● ASCII STARTUP 撮影●曽根田元

提供: SPORTS TECH TOKYO

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最終的には全てのマイナースポーツを可視化する

 スポンサーシップの先進的取り組みを表彰する「アクティベーション賞」は、「株式会社ookami」の「【Player!】コロナ禍におけるスポーツエンターテイメント3.0」が選出された。

 「Player!」は、チーム自身や現地にいるスタッフが配信することで、従来以上の熱狂とエンターテインメントを提供できるオンライン観戦プラットフォーム。特にテレビでは放送されないようなマイナースポーツの可視化という面で注目を集め、これまでに多くの配信パートナーを得た。

 今回、新型コロナの影響で「オンライン観戦」もアップデートが求められ、同社は「チームの新たな収益モデル」と「大会広報のDX(デジタルトランスフォーメーション)」を考案している。前者ではファンが選手やチームを金銭的に直接支援できる「Player!サポート」を開発。こうした取り組みが評価されての受賞となった。

ookami 尾形太陽氏

 ookamiは2014年に尾形氏が立ち上げた企業だ。尾形氏は立ち上げの理由は「ナイキを超えるような会社を日本に作りたかったから」と語った。ナイキはスポーツビジネスを牽引し、世界トップのスポーツメーカーとなったグローバルカンパニー。ナイキのような企業を日本に生み出すことで、日本のスポーツビジネスを大きく変えられるのではと考えたのだ。

 尾形氏は「これからスポーツを変えるのはインターネットやモバイルのテクノロジー」と確信しており、メディアを立ち上げるなどいくつかのチャレンジを行なっている。その中で、最も可能性があったのが「スポーツ観戦のデジタル化」だ。そこで生み出されたのが「Player!」だった。

 新たなスポーツ観戦方法として注目された「Player!」だが、高校スポーツを配信した際、あまりの反響の大きさに着目した。スポーツ観戦者自体は当然ながらメジャースポーツの方が多いが、モバイルで速報を配信してコミュニティを作るという観点では常識とのギャップがあった。尾形氏はここに市場価値を見出し、「テレビができないマイナースポーツの可視化」にシフトしていったという。

「マイナースポーツをマイスポーツに変えるのが私たちの役目」と話す尾形氏

 尾形氏が特に印象に残っている出来事が、ある大学の女子ソフトボールの試合を配信した際、試合に出ていた女子学生から感謝されたことだという。その学生は実家が東北にあり、東京での自分の試合を親に見てもらう機会がなかったのだ。しかし、「Player!」で配信することで親が子供の活躍をリアルタイムに知ることができ、その後現地への観戦にもつながった。

 尾形氏は「データ上では1PVに過ぎないが、サービスの向こう側には人がいることを実感できた。マイナースポーツを可視化することで人も動き、少しでも生活が楽しく豊かになればと改めて思った瞬間だった」と話す。

 目標である「すべてのマイナースポーツの可視化」を実現するべく、今後は活動に共感してくれる人材を確保し、より魅力的に感じてもらえるシステムの開発と、連携パートナー作りに注力するとのこと。特に全国30万以上のチームと連携するためには地域との協力が不可欠で、現在は山口銀行と連携し、地域振興・地域開拓を行なっているという。

「室伏長官は新しいテクノロジーに興味を持ってくれている。今回の受賞で日本のスポーツ界が変わればうれしい」と尾形氏が話すように、「Player!」の利用者、協力者が拡大すればスポーツの楽しみ方もまた変わっていくだろう。

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