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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第705回

富士フイルム「GFX100S」で撮った猫写真が超美麗で衝撃を受けた

2021年03月23日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家 編集●ASCII

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「保護猫シェルター QUEUE」の牢名主(っぽい)、たおくん。カゴにこもってるところをそっと撮影。キランとした目までびしっと撮れます。2021年3月 富士フイルム GFX100S

 今回、富士フイルムの70-300mmで撮った望遠猫の続編の予定でしたが、急遽予定を変更してお送りします。なんとも、スゴいカメラで猫を撮ってしまったから。

 それは富士フイルムの「GFX100S」。一般に中判センサーといわれる、35mm判換算フルサイズセンサーより一回り大きなイメージセンサーを搭載した(富士フイルムではラージフォーマットと呼んでいる)超高画質カメラだ。なんと1億画素。

富士フイルムのGFX100S。うっとりする超高画質がたまらないラージセンサーカメラ。つけているレンズは45-100mm F4。これはよいレンズ

 画素数だけみたら「普通の人はそんなにいらんだろ」と思うだろうし、確かにその通りなのだけど、画素数が多い分、毛の1本1本がすごく軟らかくしなやかに写ってるし、猫の毛のほわっとした感じも感動的だし、何より描写力がめちゃ高いので、1枚の写真から大胆に切り出しても高画質なのだ。

 これは港区を歩いてて出会った猫。お、こんな都会のど真ん中に廃墟がある、と近寄ったら、そこにちょこんと猫が座ってたのだ。

 このときは45-100mmのレンズを付けていて(35mm判換算だと80mm相当になる)、ちょっと離れてたのでこのくらいのサイズでしか撮れなかった。

港区の廃墟猫。じろっと睨まれた。背景のボケもめちゃきれい。2021年3月 富士フイルム GFX100S

 でも、拡大してみても猫の毛の1本1本まできれいに描写されてて美しいのだ。ええい、思い切ってトリミングしちゃえ。それがこちら。たまらんですな。めちゃきれい。毛の柔らかさやほわっとした感じがすごくでてる。

猫部分を拡大、すると毛の1本1本まで、細い毛は細くしなやかに描写されてて感動するのだ。2021年3月 富士フイルム GFX100S

 続いてアパート前の駐車場にいた猫。遠くからそっと撮ってクロップしてある。モニターをチルトさせ、猫目線で手前に草花をぼかしていれつつ、フィルムシミュレーションの「クラシックネガ」だか「ノスタルジックネガ」で撮影。

この少し中心からずれたアンシンメトリなハチワレがカッコいい猫。いい顔である。これもちょっとクロップした。元画像がきれいだとあとからトリミングし放題。2021年3月 富士フイルム GFX100S

 このGFX100S、高画素であるのみならず、ボディー内手ブレ補正も装備してるし、コンパクト(サイズ感的にはミドルクラスの35mm判換算フルサイズセンサー搭載一眼レフくらい)だし、価格もがんばってる(ちなみに、ボディーが76万8000円、レンズは30万1950円。どちらも富士フイルム公式ショップ価格。合計で100万円コースです)。

 よし、せっかくだからちゃんと猫を撮ろうとこのカメラを持って、じっくり撮らせてくれるいつもの「保護猫シェルター QUEUE」にお邪魔した。外光が入って室内が明るい(なおかつ他のお客さんがあまりいない)平日昼間に訪れたので、猫たちはお昼寝タイム。まったり空間が広がってる。

 黒猫とチャトラが肩寄せ合って寝てたのでそっと撮影。子猫ならではのほわほわ感がたまらん、というか美しさすら感じる。毛の1本1本が細くてふわふわしてるのが写真からわかるのがすごい(これを読んでる人は縮小した画像を見てるのでアレなんだけど、元画像をデカいモニターで見るとたまらんのだ)。

仲良くもたれあって寝てる2匹。猫が無防備に寝てる姿の幸せそう感といったらないですな。2021年3月 富士フイルム GFX100S

 こっちは別の子。80mm F1.7というもっとボケるレンズで寝顔をゲットした。

GFX100Sに80mmF1.7という単焦点レンズで。このレンズがまたボケがきれいでよいのだ

隠れてお昼寝してたのだけど顔がちょうどこっちを向いていたので正面から。前後のボケもきれい。柔らかい雰囲気なんだけどディテールはピシッと出てるのがよいのだ。2021年3月 富士フイルム GFX100S

 こういうレンズではしっかり目元にピントを合わせるのが大事。拡大しても美しいので拡大写真を再び。

顔部分を拡大。目元にピントがあって耳はボケてるのがわかる。2021年3月 富士フイルム GFX100S

 なんて調子で寝顔を楽しみつつ、次はたおくんでも撮ろうかなと思ったら姿が見えない。「保護猫シェルター QUEUE」オープン時からずっといる猫で、いまだに人に慣れてなくて客がいるときはいつも部屋の隅でじっとしてる。常連さんはみなそれをわかってるので無闇に近づいたりしない。その定位置にいないのだ。

 探したら、カゴの中に隠れてた。邪魔しないようそっと撮ったのが冒頭写真。見られてるのに気づいて片目だけちょっと開けた瞬間だ。やがて昼寝の時間も終わり、陽が少しずつ傾いていき、ぬくぬくと惰眠をむさぼっていた猫たちももぞもぞと起きはじめる。

 さて最初に寄り添って寝てた黒猫とチャトラはどうなったかなと思ったら、こんなことになってました、をい。

ほんの数秒のでき事だったのだけど、後ろから首を絞めてるようにみえたので思わずシャッター。まだ幼いチャトラはびっくりしてこのあと起きちゃったのだった。2021年3月 富士フイルム GFX100S

 首を絞めてるわけじゃなくて、頭頂部の毛繕いしてあげてるのだけど、でもやっぱ首が締まってるように見えるよね。

 それにしても、携帯性重視でカメラとレンズを選ぶことが多いのだけれども(猫との一瞬の出会いを捉えるには機動力大事)、たまにはクオリティー重視もいいなあ、GFX100Sで撮った絵の美しさは半端ないわ、と思ったのである。もちろんそれなりのお値段はするのでおいそれとは買えないけど、買おうという人がいたら全力で背中を押しにいきたいくらいなのだ。

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筆者紹介─荻窪圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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