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“3本目の柱”ソリューション&サービス事業部門を新設、1年間で売上比率15%を目指す

レノボ・ジャパンとLES、2021年度は「サービス事業」強化がテーマ

2021年03月11日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 レノボ・ジャパンとレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(LES)は2021年3月10日、2021年度の法人向け事業戦略を中心とした記者説明会を開催した。レノボ・ジャパン 社長のデビット・ベネット氏、LES 社長のジョン・ロボトム氏ら幹部が出席した。

 ベネット氏は「2020年は新型コロナウイルスの影響で社会が大きく変わった。そして2021年はレノボ自身も大きく変わる」と述べ、中心戦略となる「サービス事業の強化」をはじめとする事業戦略を紹介した。エッジコンピューティング製品の新ブランド「ThinkEdge」も発表している。

レノボでは顧客企業の“Intelligent Transformation”に貢献するための「3S」戦略を推進。その3本柱の1つとしてソリューション&サービス部門を新設した

レノボ・ジャパン 代表取締役社長のデビット・ベネット氏、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(LES) 代表取締役社長のジョン・ロボトム氏

レノボ・ジャパン 執行役員副社長の安田稔氏、同社 執行役員 サービス事業部サービスセールス&マーケティング本部統括 本部長の上村省吾氏

事業の3本目の柱として「サービスに本気で取り組む」レノボへ

 ベネット氏は、“コロナの年”だった2020年、レノボでは自社が持つテレワークのノウハウを日本企業に伝え、また中小企業向けにテレワーク用PCを無償レンタルするなど「日本企業と社会の変化をサポートし続けてきた」と語る。

 同社では2015年ごろから回数無制限のテレワーク制度を社内で実践しており、その実践があったために「コロナ禍においてもテレワーク需要が起きることをいち早く察知し、調達などの準備ができた」(ベネット氏)と振り返る。IDCの調査によると、国内法人向けPC市場(2020年4~12月通期)で、レノボは日本法人設立以来初めてシェアNo.1(レノボブランド単独)を獲得している。もうひとつ、政府が推進する「GIGAスクール構想」においても、MM総研の調査ではレノボがWindows/Chromebook端末でトップシェアを獲得したという。

 テレワーク、GIGAスクール構想によるハードウェア売上が牽引して、2020年の業績は好調だった。2020年度第3四半期(2020年10~12月期)は過去最高の売上高、純利益を記録している。

2020年第3四半期(10~12月期)は過去最高の売上、純利益を記録した

 レノボでは「Everything is Changing」というコーポレートメッセージを掲げており、2020年はコロナ禍によってまさに「すべてが変わる」年となった。そして、2021年もその変化は続く。その中で、レノボ自身も大きく変わる必要があることをベネット氏は強調する。

 「レノボは2021年、ハードウェアビジネスに加えて何をやるのか。2021年のフォーカスは、ずばり『サービスの強化』だ。『サービスに本気で取り組む』というのが、レノボのワールドワイドでの方針となっている」(ベネット氏)

 サービス事業に注力する背景には、働き方/働く場所の多様化、従業員満足度の重視、社外も含めたオンラインコラボレーションの必要性、そしてデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進といった、企業におけるさまざまな状況の変化があるという。したがって、これまでレノボが提供してきたサービスとは性格の異なるものにもサービス領域を拡大していくという。

 その具体的な内容については、サービスセールス&マーケティング本部統括 本部長を務める上村省吾氏が説明した。新しいサービスの追加によりサービスの提供領域は大きく6つとなり、PCやデバイス導入前の検討段階から運用、廃棄まで、トータルにカバーできるという。

新サービスも加えたレノボサービスの全体像

 このうち新サービスとしては「開発部門と連携した計画サービス」が挙げられる。これは、顧客のIT計画をスムーズに推進させるために、レノボやパートナーのアカウント窓口がレノボの開発部門と連携しながらアドバイスや質問への回答を行うもの。また「現用設備の保守と連動した新規展開サービス」では、導入後のアセット管理や代替機交換、マイグレーションなど、製品ライフサイクルサービスを提供する。いずれも、製品の開発部門や保守部門、修理部門が国内にもあるレノボの強みを生かせるものだと説明した。

 より具体的なサービス例として、マイクロソフトのモダンワークプレイスを活用するためのコンサルティングやマネージドサービスの提供、多数のPCやデバイスの管理(MDM)やソフトウェアライセンス管理、エンドポイントセキュリティなどを実現する「レノボ スマートフリートサービス」、PCやデバイスのゼロタッチデプロイメントなどを挙げた。

法人向けPC事業で提供する具体的なサービス例。こうしたサービスの強化と拡充を図るために、レノボ・ジャパンでは新たに「カスタマー・フルフィルメント・サービス(CFS)」を立ち上げた

 ベネット氏によると、グローバルではすでにサービス&ソリューション事業の売上が拡大しつつあり、2020年第3四半期には売上全体の8%を占めたという。日本市場においては、今後1年間でサービス事業の売上比率を15%程度まで引き上げることが目標だと語った。

IoTエッジ専用PCブランドとして「ThinkEdge」を発表

 このほかレノボ・ジャパン 副社長の安田稔氏は法人向けPC事業について、LES 社長のジョン・ロボトム氏はデータセンター事業について、それぞれ事業戦略を説明した。ここでは新ブランドも発表されたエッジコンピューティング領域、およびデータセンター領域を中心に紹介する。

 レノボでは、顧客企業の“インテリジェント変革(Intelligent Transformation)”を支援するために、よりスマートなテクノロジー(Smarter Technology)製品を提供していくというビジョンを掲げている。PCの「ThinkPad」、ビデオ会議ハードウェアの「ThinkSmart」、サーバーの「ThinkSystem」などと並んで、今回エッジコンピューティング領域の新製品ブランドとして発表されたのが「ThinkEdge」だ。

 レノボでは2年前から「ThinkIoT」ブランドを立ち上げ、PC事業部門とデータセンター事業部門の双方からエッジコンピューティング製品を投入すると同時に、IoTデバイスパートナーやSIパートナーとの協業を通じた各業界向けIoTソリューションを展開している。

2年前からIoTソリューションのブランドとして展開する「ThinkIoT」

 こうした中で、膨大な量のIoTデータをエッジ処理する需要はますます高まっている。安田氏は「通信量/料の爆発」「レイテンシの最小化」「柔軟性の最大化」「プライバシーや個人情報の保護」といった課題から、IoTソリューションにおいては「クラウド+エッジモデル」が求められていると語る。

 そこで、従来はデスクトップPCと同じ「ThinkCentre」ブランドで展開していたIoTエッジ向けPCを、新たな専門ブランドであるThinkEdgeとして独立させた。ここでは「ThinkEdge SE30」「同 SE50」という2モデルを投入予定だ(国内での発売時期は未定)。両製品には、-20~60℃までの稼働環境拡張、5G通信への対応、VPU搭載と「OpenVINO」対応によるエッジAI処理最適化といった特徴がある。

新しい「ThinkEdge」ブランドで発表されたIoTエッジ処理専用PCの2機種。コンパクトなフォームファクターと耐環境性、AI推論を含む高度処理を実現する

 データセンター事業を展開するLESでも、すでにエッジ向けサーバー「ThinkSystem SE350」のほか、同じフォームファクタでNutanix製ソフトウェアを組み込んだHCI「Think Agile HX1021」、同じくマイクロソフトの「Azure Stack」搭載のHCI「ThinkAgile MX1020 Certified Node」を展開している。

 ロボトム氏は、IoTソリューションの高度化によって現場における膨大なセンサーデータ処理の需要が生まれていることを指摘。店舗などの現場にも設置しやすいデータセンター製品を提供していると説明した。なお、外食チェーン店のEggs'n ThingsではThinkSystem SE350を店舗バックヤードに導入し、カウンター注文後の顧客がどの座席に座ったのかをセンサーで検出して料理を客席に届けるシステムを実現しているという。

現場設置できるエッジサーバー/HCI製品も引き続き提供される

 なお今年度のレノボが注力するサービスについて、データセンター事業においては、ハイブリッドクラウド化やモダナイズに向けたアセスメント/設計を専門家が支援するソリューションサービス、24×365体制でエンドトゥエンドの運用支援を行うサポートサービスといったものに注力すると述べている。

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