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IoTエッジにおける“6つの課題”を考えたデザインをアピール

物理セキュリティも注力、レノボ初のエッジサーバー「ThinkSystem SE350」

2019年11月20日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 レノボ・エンタープライズ・ソリューションズは2019年11月19日、今年9月から国内提供を開始したIoTエッジ環境向け小型軽量サーバー「ThinkSystem SE350 Edge Server」の技術説明会を開催した。

 SE350は、工場や倉庫、小売店舗、屋外サイネージなど幅広い現場に設置しやすいコンパクト設計ながら、大容量メモリやGPUも搭載可能なキャパシティを持ち、エッジでの仮想化やAI推論といった高度なワークロード処理に対応するサーバー製品。そのほか説明会では、万が一の本体盗難に備える物理セキュリティ機能なども紹介された。

レノボのIoTエッジサーバー「ThinkSystem SE350 Edge Server」本体(左:有線LANモデル、右:無線LAN/LTEモデル)。サイズ(容積)は標準1Uサーバーの「およそ4分の1」

レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 技術営業本部 本部長の廣川直哉氏

同 製品マーケティング本部 製品部 部長の金地秀夫氏

同 ソリューションアライアンス本部 担当部長 ビジネス開発マネージャーの内田修氏

小型軽量の本体に高度なワークロード処理能力を備えたエッジサーバー

 ThinkSystem SE350は、今年5月の米国「Lenovo Accelerate '19」でグローバルに発表され、国内では7月の「Lenovo Transform 3.0」で初披露された、同社のエッジ向けサーバー製品。

 技術営業本部 本部長の廣川直哉氏は、多様な現場においてIoT活用が進む中で、クラウドオンリーではなく「クラウド+エッジ」モデルのコンピューティングニーズが高まっていると語る。ただし、レノボがグローバルで多数の企業顧客にヒアリングを行ったところ、エッジ環境へのサーバー設置においては「大きく6つのチャレンジ(課題)」があったという。

エッジコンピューティング環境における「6つのチャレンジ(課題)」。従来のデータセンターサーバーとは異なる設計が必要となる

 SE350は、こうしたエッジ環境におけるさまざまな課題の解決を目指し設計されたサーバーだ。

 まず、本体サイズ(容量)は一般的な1Uラックサーバーのおよそ4分の1、重量はおよそ3分の1と小型軽量で(W215×D376×H40mm、最大重量3.75kg)、多様なマウントオプションによって、テーブルトップ設置だけでなく壁や天井への設置(DINレール対応)、ラック設置(1Uに2台設置可能)、また3台1組のスタック設置も可能としている。電源は100~240V AC電源(冗長化対応)、または-48V DC電源に対応する。

 加えて耐環境性面では、最大動作温度が0~55℃(GPU搭載など構成により異なる)、最大動作湿度が90%、そのほか防塵性能や耐振動/衝撃性能も備える。こうした本体設計によって、一般的なオフィスだけでなく店舗や工場、倉庫といった過酷な環境での動作も可能としている。

 ネットワーク環境が用意されていない現場向けに、SE350では「無線対応モデル」もラインアップしている。無線対応モデルでは、有線LAN(10GbE SFP+、10GBase-Tほか)に加えて、無線LANおよびLTEネットワークへの接続機能を内蔵している。今後、5Gネットワークへの接続機能搭載も検討していくという。

ThinkSystem SE350の正面/背面図と外部インタフェース群(左;有線接続モデル、右:無線対応モデル)

 パフォーマンス面では、エッジでも仮想化環境の構築や高度なデータ処理、AI推論などに対応できるよう設計されている。インテルXeon D-2100ファミリー(4/8/16コア)×1ソケットを採用しており、メモリ容量は最大256GB、データストレージ(M.2 SSD)容量は最大16TBまで対応する。また「NVIDIA T4 GPU」を内蔵することも可能だ。

 なおSE350は「Microsoft Azure Stack HCI」や「VMware vSAN Ready Node」のハードウェア認定も受けている。最小の2ノード構成の場合、10GbEスイッチを介さずノード間を直接接続できるという。HCI化により「エッジに高可用性(HA構成)を求める用途にも対応する」と、廣川氏は説明した。

最大16コア/256GBメモリ/16TBストレージまで拡張可能

AIワークロード向けにNVIDIA T4 GPUの内蔵にも対応

暗号化ドライブやロックダウン機能など、物理セキュリティも意識

 廣川氏は、エッジ環境に対する顧客の最大の懸念点は「セキュリティ」だと説明した。データセンターではなく工場や倉庫、一般オフィス、公共の場に設置される製品のため、物理的な盗難に加えて“物理的な”不正アクセスによるデータの盗難リスクにも備えなければならない。

 SE350では、ケンジントンロックや鍵付きフロントベゼルを搭載するだけでなく、本体に搭載するセンサー群によって「本体カバーが開けられた」「本体が動かされた」といった物理的な不正行為も検知できるようになっている。

 この検知機能と「ロックダウンモード」機能を連動させることで、物理的な攻撃があった場合には即座にシステムを停止し、OSレベルで起動しない状態にロックすることが可能だ。さらに内蔵ドライブは自己暗号化ドライブなので、万が一本体が盗難にあったとしても、すべてのデータは暗号化により保護される。

SE350は内蔵センサーを活用した物理セキュリティ機能も備えている

 SE350は初期セットアップ時に「ThinkShield」Webポータル(または専用モバイルアプリ)からのアクティベーション操作が必要となっており、ドライブの暗号鍵は別の場所に保存される。上述のようにロックダウンされた場合は、再度アクティベーションしなければロックを解除できない(OSを含むドライブのデータを復号できない)。

 また、他のThinkSystemサーバー製品と同様に「XClarity Controller」管理エンジンを内蔵しており、Xclarityシリーズの管理ツールを使って、PCやモバイルデバイスからリモート管理することができる。これにより、IT管理者がいない多数の現場にSE350を配置し、運用管理することも可能にしている。

ThinkShieldポータルでのセキュリティ設定(左)と、XClarityコントローラーによる一元管理

ISVパートナーとの協業による「20のIoTソリューションシナリオ」も用意

 同社 ソリューションアライアンス本部 担当部長 ビジネス開発マネージャーの内田修氏は、国内市場で想定されるSE350の導入用途やパートナーソリューションの展開について紹介した。

 SE350では特に「AIによる映像分析」のような高度なワークロードにも対応できる。この特徴を生かして、たとえば公共施設における監視カメラ映像分析をはじめ、スタジアムやショッピングモール、アミューズメントパークなどでの映像に基づく動線分析や店舗情報分析といった用途も考えられるとしている。

レノボが想定するSE350の導入用途。「AI映像分析」のような高度なワークロードのエッジ処理が特徴的だ

 また同社では、ISVパートナーのソフトウェアとSE350を組み合わせて提供する「20のIoTソリューションシナリオ」を用意している。現時点では、小売、製造、物流、医療の各業界向けソリューションのほか、セキュリティ、無線メッシュ映像分析、ドローン映像分析の各ソリューションをラインアップしている。

 内田氏はこのうち、同社がアイネットと開発した「スマートドローンAI映像分析」のソリューションシナリオを紹介した。ドローンにより収集した4K高画質映像をSE350上でAI分析し、レノボのIoTゲートウェイ「NanoIoT」を通じて収集した各種センサーデータも組み合わせながら、幅広い現場ニーズに対応するというものだ。

ISVパートナーとの協業で「20のIoTソリューションシナリオ」を用意している。同社では、こうしたソリューション経由でのSE350採用が多いと見ている

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