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鳥居一豊の「コンパクトスピーカーが好き!!」 第9回

熟成された音、DALI 「MENUET SE」で聴く「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト2202」

2021年02月27日 15時00分更新

文● 鳥居一豊 編集●ASCII

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音楽の魅力を教えてくれるような、スピーカーの面白さを実感できる

 価格差もあり、MENUET SEが圧倒したと感じてしまった。ダリというメーカーは、エントリークラスのモデルを含めて、実力の高いスピーカーだと思っていたが、MENUET SEはその中でもよく出来たスピーカーだと感じた。

 昔ながらのダリの音を感じさせながら、最新のスピーカーと変わらない忠実度の高さをはじめとする性能の高さを兼ね備えている。しかもそのバランスがちょうどいい。この自然な感触はアコースティック楽器が主体の曲やクラシックに適しているのは間違いないが、尖ったロック・サウンドだろうとポップスだろうと、ジャンルを選ばずに楽しめると思う。どんな音楽でもその曲の聴かせどころをしっかりと楽しめるはず。音楽の魅力を教えてくれるスピーカーだ。強いていえば、昭和の歌謡曲ムードとの相性が抜群だったこともあるし、1960年代から1980年代あたりのロックやポップスとの相性が良いかもしれない。

 そういうと、ある程度年齢を重ねた人に向いたスピーカーと言えるかもしれないが、若い人が聴いても逆に新鮮に感じるだろう。さきほどは若者と老人のようなある意味失礼な表現をしてしまったが、円熟の味わいでも老いてはいない。世代を重ねて若返っている。継承しているDNAが濃いのだ。現代のスピーカーに求める忠実度などの性能は不足なく備えている。それでいて味わい深い。

 長く付き合っていても飽きの来ない音だと思うし、色々なスピーカーを聴き比べて、最後に聴いてホッと安心する音とも思う。こういうスピーカーはあまりない。時としてこういうスピーカーが現れるから、オーディオは本当に面白い。

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