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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第603回

チップ売りからソリューションに切り替えたETA Compute AIプロセッサーの昨今

2021年02月22日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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機械学習向けMCU「TENSAI」を発表

 そして2018年10月には、いよいよ機械学習向けの機能を統合したMCUであるTENSAIチップをArm TechConの会場で発表する。「TENSAIというのはGenius(天才)の方か、それともDisaster(天災)の方か?」と一応ブースで確認したら「もちろんGeniusの方だ」という答えが返ってきたが、別に同社の経営陣に日系の人が居るわけではないらしい。

これは画像認識のネットワークであるCIFAR10を実行しているデモボード。右中央のソケットの下にTENSAIチップがある(左のものはデバッグや開発用のインテルのCyclone FPGA)

CIFAR10の実行画面。2種類のネットワークを同時に実行して、それぞれで物体認識を行なっている

こちらは(確か)音声認識デモ

こちらの主眼は(確か)音声認識中の消費電力を示すこと。「裏の製品(同社のブースの裏にSTMicroelectronicsがブースを出していた)の10分の1の消費電力だ」と説明員がアピールしていた

 さてこのTENSAIチップであるが、この時点ではETA Computeの発想は「単に省電力なだけではIoTノードとして十分ではない。省電力で、しかもEdge AIを実行できる性能が必要になる」という方向に振られることになった。下の画像はこのあたりを端的に示している。

結論から言えば、現状ではこうしたExtreme EdgeにもMCUではなくMPUが入る(Apple Watchなどその良い例だと思う)方向に推移しているようにも思われる

 同社が目指すのは、“Extreme Edge”と呼ばれる、一番末端の機器向けである。それなり以上の容量を持つバッテリー、あるいは外部電源が使える機器をEdgeと分類し、それ未満の機器をExtreme Edgeと表現したわけだ。このあたりはArmが言うことろの“Endpoint AI”に近いかと思う。

 Exterme Edgeの一例が、パレット(荷物を運ぶ際の台座)に取り付けられるトラッキングデバイスである。ここではAIが「いつ自身の情報を収集して、発信するか」を判断するために用いられることになる。

段ボールの下の木枠がパレットで、そこに黒いトラッカーが付いてるのがわかる。ただこの場所では運送時にぶつけられて壊れそうな気がする

Extreme Edgeでの機械学習例。言うのは簡単だが、実際には振動や音などの周囲状況からどう判断するかを作りこむのが難しいはずだ

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