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D1グランプリ 2020 TOYO TIRES密着レポート 第7回

D1GP2020シーズンが年をまたいで閉幕! 2021年のスケジュールも決定

2021年02月07日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 撮影●栗原祥光

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【2020年シーズン総括】小橋選手の強さが際立った1年

総合順位。左から2位の横井選手、シリーズチャンピオンの小橋選手、3位の藤野選手

チームランキングトップは、LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE。左は熊久保監督

 この結果、2020年シーズンの総合ラインキングは、小橋選手がチャンピオンに。2位は選手会長でもある横井選手、3位に藤野選手に決定しました。併せて単走ランキングは横井選手、チームランキングは、LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGEに輝きました。

記者会見中の小橋選手

 今シーズンを振り返り小橋選手は「昨日シリーズチャンピオンが決定しましたけれど、実感はまったくありませんでした。D1に参戦して4~5年目ですけれど、シーズン開始当初はここまで来れるとは思っていませんでした。ここまで来れたのは、チームの皆さんと僕を育ててくれた熊久保さん(チーム監督)と末永さんのお陰です。またLINGLONG TIREとは2年目なんですけれども、本当にありがとうございました」とチームへの謝辞を述べました。

記者会見中の横井選手

 また、単走チャンピオンに輝いたシーズン2位の横井選手は「今回シリーズ3連覇を目指していたのですが、今年はクルマを新調したこともあり開幕で思いっきり走ることができませんでした。トラブルが出た割には、単走順位が上位に入ることができ、それにより、追走の順位も上に来ることができました。以前から単走は重視していまして、その結果が単走シリーズチャンピオン、ドライバーズでも2位に入ることができたのかなと思います。単走のシリーズチャンピオンは取ったことがなかったので、結果を出せてうれしいですね。走っている時は単走チャンピオンの事はあまり考えていなくて、プレッシャーもなく走ったのですが、単走の順位が出た時に事後報告として知りました」と1年を振り返りました。

記者会見中の藤野選手

 3位の藤野選手は「自分は今年1年、1勝もしないまま、何やかんやポイントを重ねて、ここまで来ました。筑波戦は小橋さん横井さんには負けないぞという気持ちで臨んだのですが、追走でクルマをクラッシュさせてしまいました。ですがチームが徹夜で直してくれて、チームに恵まれていることを改めて実感しました。その恩に報いようと最終戦に臨んだのですが、気持ちの面で負けている部分はあったのかなと思いました。来シーズンは気持ちを切り替えて、強い気持ちで負けないぞと思いますし、いいタイヤを作ってくださるTOYO TIRESにも恩返ししたいと思います」と総括しました。

Team TOYO TIRESのスタッフたち

総合3位のトロフィーを持つ藤野選手

総合6位の盾を持つ川畑選手

 Team TOYO TIRES DRIFT – 1としては、藤野選手はシリーズ3位、川畑選手はシーズン6位と悔しいシーズンとなった2020年。思い返すと、第5戦のオートポリスから流れが変わったように思えます。ですが、最終ラウンドまでタイトル争いをし、D1を盛り上げました。今シーズンの悔しさを胸に、来シーズンのリベンジに期待しましょう。

 そしてコロナ禍の状況下でも試合が藤野選手も「無観客試合から始まって、お客様が入るようになってきました。自分的に苦手な部分もあるのですが、それでも走っている時はお客様がいらした方が燃えますし、走り終わった後にお客様に囲まれるとうれしいです。だから早く収束して、今までのような日に戻って欲しいですね」とコメント。選手会長の横井選手も「折角の年なのに、ファンの方もチームも大変な1年だったと思います。ですが、その中でYouTube LIVEなど新しい露出の場面がありました。今回、コロナのお陰と言っては何ですが、スポンサーさんも新しい魅せ方が始まった年でした。YouTubeなどでD1を新しく知ったファンの方も、来年はサーキットに足を運んでもらえるようになったらいいなと思います」。早く元に戻ってほしいのはファンだけではなく、選手もそう感じているようです。

来シーズンこそ、グリッドにファンが集まる日が来ることを祈らずにはいられません

【2021年シーズン日程】4月25日開幕。5会場全10戦を予定

エビス名物「ジャンプドリフト」をする川畑選手

 来シーズンの暫定日程が発表されましたので、併せてご紹介しましょう。全日程2デイズで行なわれます。開幕戦と第二戦は4月24~25日に奥伊吹モーターパークで、第3~4戦は筑波サーキットで6月26~27日に開催。そして第5~6戦は、ジャンプドリフトで知られる聖地エビスサーキット南コースで8月21~22日と、ほぼ2ヵ月おきに行なわれます。2020年はありませんでしたが、例年エビス戦の土曜日夜には「D1夏祭り」が行なわれます。

オートポリスを走る藤野選手

 そして第7~8戦は再び奥伊吹モーターパークに戻り、10月2~3日に。そして第9戦・最終戦はオートポリスにて10月30~31日に開催されます。

 シリーズチャンピオンの小橋選手は「今年初開催のエビス西コースがなくなったのが、ちょっと悲しいですね。あと、奥伊吹は今シーズン唯一予選落ちした場所ですので、そこは対策したいと思います」。横井選手は「来シーズンには来シーズンの風が吹くと思っています。小橋さんの調子も続かないと信じて、頑張りたいと思います。また奥伊吹は地元から近いのと、前回は無観客試合でしたので、ファンの方にイイ所を魅せたいですね。4戦中3勝はしたいですね。僕はサーキットの得手不得手はあまりないのですが、奥伊吹だけは勝ちたいですね」と意気揚々。エビスサーキットが苦手だという藤野選手は「エビスが苦手というより、先が見えないコースが嫌いなんですよ。僕のクルマはカッコよさを重視して、シートポジションを下げているんですよ。今日もですけれど、先が見えづらくて。だから来シーズンはシートポジションを上げたいと思います」と対策を考えている様子。

 気になるのは来シーズンに向けての動き。小橋選手は「3ヵ月しか期間はないので、マシンはそのままです。ですが煮詰められる部分はあるので、腕もクルマも熟成させていきたいと思います」とのこと。横井選手は「サーキットによってはトラクションが足りないですし、またパワーも未だ足りない。その中で使いやすいパワーを手に入れたいと思います。また時代の進化でアンチラグシステムやフラットシフトという技術が登場しています。マシンにはアンチラグシステムを搭載しているのですが、D1では使っていないんです。でも、それに頼ってもいけないと思います。ですので、使える状態にしておいて、必要を感じたら使えるようにしたいです。変更するところは、それくらいでしょうか」とのこと。

 藤野選手は「クルマ的には何を変えるということはないです。まずはクルマを綺麗に戻したいですね。練習車と本番車があるのですが、普段本番車を乗る機会はあまりないんですね。オフシーズンは本番車に乗って、足回りやタイヤとのバランスを見て、コントロール性のいいクルマにしていきたいと思います。現在はタイヤのグリップ力にクルマが負けている状況で、コントロールが難しい状況です。まずはコントロールしやすいクルマに仕上げたい」と来シーズンへ向けての予定を語ってくれました。

 その他の選手として、中村選手は「次シーズンのチャンピオン獲得に向けて、シーズンオフは、練習あるのみです。あとマシンはそのままで、セッティングを煮詰めたい」とのこと。斎藤選手は「来シーズンも、基本的なパッケージはそのままです。ですがタイヤメーカーも含めて色々と体制が決まっていないことが多いで、そこを煮詰めていきたい」とのことでした。

 来シーズンへの戦いは既に始まっています。4月24日の開幕戦が今から楽しみです!

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