「Minecraft with RTX Beta」のパフォーマンスは?
少々目先を変えてWindows10ストアアプリ版の「Minecraft」のDXR対応版、即ち「Minecraft with RTX Beta」も動かしてみた。画質設定はデフォルト設定、つまりレンダー距離は8で固定とした。スケーリング(DLSS)は有効と無効時でそれぞれ比較している。また、常時V-Syncが有効になっているので、設定ファイルで無効化した。
今回の検証はマーケットプレイスで入手したマップ「Portal Pioneers RTX」を利用した。マップ内に用意されたトロッコで移動した時のフレームレートを「CapFrameX」で計測する。
今年春に最初にMinecraft with RTX Betaを検証したとき(https://ascii.jp/elem/000/004/010/4010029/)からビルドは進んでいるが、エンジンそのものの出来はあまり変わっている印象はない。ただDLSS(スケーリング)を無効にしたままだとフレームレートの落ち込みが激しいので、WQHD以上でプレイするならDLSSは必須といえる。RTX 3060 Ti FEであれば、DLSSを使うことで平均60fpsプレイが楽しめるだろう。
フルHD+DLSSなら平均120fps近くまで出せるが、エンジンの仕様なのかフレームタイムが激しく変動するので、数字的に高フレームレートを出せても常時ヌルヌル動く感じには乏しいのが残念だ。
DLSS前提でプレイしたい「Watch Dogs: Legion」
最後に試すのはDXRとしては最重量級の一角を占める「Watch Dogs: Legion」だ。APIはDirectX 12、画質“最大”にレイトレーシング“最大”を追加。DLSSは“バランス”かつ精細度100%を指定した。ゲーム内ベンチマーク機能を利用して測定している。
さすが現行最重量級だけあって、RTX 2060 FEではDLSSがあっても快適プレイにはほど遠い。RTX 3060 Ti FEでもDLSSがないとフルHDでも厳しいが、DLSSを有効化することでプレイアブルなフレームレートが得られる。
WQHD以上になるとRTX 3070 FEでも設定下げを検討すべき重さになるので、RTX 3060 Ti FEはフルHDで画質最高設定よりやや下を狙うためのGPUと言うべきだろう。このタイトルにおいてもRTX 3060 Ti FEはRTX 2080 SUPER FEよりもコンスタントに上回っており、DLSSの有無に関係なく8%前後上に位置している。
まとめ:性能は順当。DXRゲームの体験用なら
RTX 20シリーズより優秀
家庭用ゲーム機でも「レイトレーシング」がキーワードになってきた(ただそちらもソフト不足で悩んでいるようだが)し、PCのDXR対応ゲームも増えてきたので、そろそろDXR対応GPUに乗り換えようと考える人もいるだろう。
その場合の選択肢としては、今回レビューしたRTX 3060 Tiや3070にするか、あるいは値下がりの激しいRTX 20シリーズの下位モデルにするか悩むことになる(Radeon RX 6800は価格的に1ランク上かつDXRパフォーマンスが控えめ。何より店頭在庫すら怪しい状態)。Apex LegendsやRainbow Six Siegeといった軽めのゲーム主体なら型落ちGPUでも戦えるが、DXRを体験したいとなれば旧世代RTコアを搭載したRTX 20シリーズに手を出すのはあまり賢い選択とは言えない。
つまりRTX 3060 TiはDXRゲームを楽しむためのGPUとしては今一番お買い得なGPUといえる。Call of Duty: Black Ops Cold WarやWatch Dogs: Legionでは最高設定だと平均60fpsキープが厳しい点もあるが、今ある最高のPCゲームグラフィックスを堪能できるGPUであることは間違いない。ほぼ全ての局面においてRTX 2080 SUPERよりも上の体験ができるだろう。
ただ、このRTX 3060 TiはRTX 2070あたりから乗り換えるにはやや足りないかもしれない。RTX 2060やGTX xx60系なら劇的なパフォーマンスアップが感じられる。特にGTX 1060を使っている人なら、およそ3倍(場合によってはそれ以上)のフレームレートが得られるはずだ。もちろんGTX 1060とRTX 3060 Tiは価格が倍違うが、性能は3倍近いため十分投資に見合う働きをしてくれるだろう。
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