GeForceを視界から消し去った
「Assassin's Creed Valhara」
次に最新作「Assassin's Creed Valhara」でも試してみた。画質は“最高”とし、ゲーム内ベンチマーク機能を利用して計測した。
この超重量級ゲームでは平均fpsの出方はRadeon RX 6000シリーズが圧倒的に高い。そしてSAMの効果はRadeon RX 6800 XTでは9~19%、Radeon RX 6800でも8~15%と高く、さらに解像度が低いほど効果が得られる。
起動時にAMDロゴがバンバン出るため、AMD製品に対する最適化が進んでいる可能性があるが、ここまで差が出るとは驚きしかない。格下のRadeon RX 6800ですらRTX 3080を超えてしまうのだ。RTX 3090はRadeon RX 6900との対決用に残しておいたが、このゲームではRTX 3090も危ないだろう。
「Horizon Zero Dawn」では不具合も……
今回は時間がないのでゲーム検証は「Horizon Zero Dawn」で〆としたい。画質は“最高画質”とし、ゲーム内ベンチマーク機能を利用して計測している。最低fpsがぶれやすいため、3回計測して最低fpsが最高値を出した時の結果を比較した。
このゲームではトップはRTX 3080 FE、続いてRadeon RX 6800 XTと6800、そしてRTX 3070 FE、最後にRadeon RX 5700 XTという順になっている。Radeon RX 6000シリーズの国内販売価格が米ドルに近い設定ならば、Radeon RX 6000シリーズはRTX 30シリーズにたいし良い費用対効果を得られるカードになる可能性がある。
ただしこのゲームではSAMは効かないどころか、4K環境ではゲームがクラッシュしてしまった。ゲーム側の不具合である可能性もあるが、SAMは常に有用ではないようだ。
後編はDXR対応ゲームも含めさらに検証
Radeon RX 6000シリーズの検証は、今回はここまでとしたい。Assassin's Creed ValharaやRainbow Six Siegeなど、Radeonのアーキテクチャーにすっぽりハマれば、Radeon RX 6000シリーズはRTX 30シリーズを置き去りにする性能が出ることが明らかになった。SAMはゲームによっては有用だが、時にはクラッシュを誘発するなど、荒削り(いつものRadeonともいえる)な印象は拭えない。
しかし、ここまでの結果を見るかぎり、しばらく見なかった「強いRadeon」が完全復活したことは間違いない。AMDファンはもとより、これからRyzenで新しいゲーミングPCを組もうと考えているなら、Radeon RX 6000シリーズは真っ先に検討しても良いGPUとなったようだ。
ただ問題は流通の量だ。噂によるとかなり少ないらしく、Ryzen 5000シリーズの上位モデル以上の争奪戦になると予想されている。2020年はCPUもGPUもライバルに追い付き追い越したボーナスタイム。AMDには製品供給をしっかり頑張って戴きたいところだ。

この連載の記事
-
第431回
デジタル
Zen 4の128スレッドはどこまで強い?Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証詳報 -
第430回
デジタル
Zen 4世代で性能が爆上がり!Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証速報 -
第429回
自作PC
Core i7-14700Kのゲーム性能は前世代i9相当に!Raptor Lake-S Refreshをゲーム10本で検証 -
第428回
自作PC
ベンチで知る“第14世代”、Core i9-14900K/Core i7-14700K/Core i5-14600Kは何が変わった? -
第427回
デジタル
A620&RX 7600と+1ランク上の構成では、どちらが良いか検証してみた -
第426回
デジタル
1スロット&低消費電力で運用可能な「Radeon PRO W7500/ W7600」を試す -
第425回
デジタル
最大転送速度2000MB/s! 約1.8倍速くなったSamsungの外付けSSD -
第424回
デジタル
AMDはWQHD向けGPU「Radeon RX 7700 XT/ RX 7800 XT」で優勢を取れるか?【後編】 -
第423回
デジタル
AMDはWQHD向けGPU「Radeon RX 7700 XT/ RX 7800 XT」で優勢を取れるか?【前編】 -
第422回
自作PC
VRAM次第でゲーム性能は変わる?GeForce RTX 4060 Ti 8GB版vs16GB版で対決 -
第421回
自作PC
1TBモデルで1万円切りのWD Blue SN580 NVMe SSDが高コスパかどうかを実際に試した - この連載の一覧へ