●ポイント3:BIOSはAGESA 1.1.0.0が出るまで待ちのがベター
これまでのRyzenファミリーと同様に、Ryzen 5000シリーズを利用するには、マザーボードのBIOSを同シリーズに対応したものに更新しておく必要がある。そのBIOSがAGESA 1.0.8.0であればRyzen 5000シリーズを載せて起動することは可能だが、CPUの性能をキッチリと引き出すにはAGESA 1.1.0.0以降のBIOSが必要になる。BIOS更新は作業場のリスクでもあるため、今使っているSocket AM4マザーボードのBIOSにAGESA 1.1.0.0準拠が追加されるまでは待った方がベターだろう。
そしてRyzen 5000シリーズ対応BIOSが最速で提供されるマザーボードは今のところX570/B550/A520チップセットのいずれかを搭載したマザーボードであることが確定している。B450やX470マザーボード用のBIOS提供は各マザーボードメーカーの“頑張り次第”だ。
●ポイント4:Radeon RX 6000シリーズの性能をフルに引き出せる(要マザーボード)
AMDが11月18日より販売と予告しているBigNaviことRadeon RX 6000シリーズには、CPUからRadeon RX 6000シリーズのVRAM全領域に効率良くアクセスできる「Smart Access Memory」なる機能が追加されている。
この機能を利用するにはRyzen 5000シリーズのCPUと、500シリーズチップセットを搭載したマザーボードが必要であるとアナウンスされている(現時点でPCI Express Gen4非対応のA520も含まれるかどうかは確定していない)。つまり話題のRadeon RX 6000シリーズを使いたいと考えているなら、マザーボードもセットで考える必要があるのだ。
AMDの動画によるSmart Access Memoryの解説。これまではビデオカード上のVRAMには256MB単位でしか情報を送れないので、多量のデータを扱うには効率が悪すぎた、とAMDは語る
だがRyzen 5000シリーズ+500シリーズチップセット+Radeon RX 6000シリーズを組み合わせると、CPUからVRAMへより効率良くアクセス可能になる。PCI Express Gen4接続であることが大きな鍵と思われる
●ポイント5:メモリー周りの仕様は同じ
CPUコアを載せるCCDの設計が大きく見直された一方で、IOD(I/Oダイ)はRyzen 3000/3000XTシリーズと同じもの(12nmプロセス)が使われる。
ゆえに、IOD内にあるメモリーコントローラーもRyzen 3000/3000XTシリーズから変わっていない。Infinity Fabricとメモリーコントローラー、メモリークロックが1:1:1で動かすのが最も効率が良いといったメモリーチューニングのノウハウもそのまま継承される。
ただRyzen 5000シリーズではこの1:1:1クロックを維持できる上限が従来の3800MHzから4000MHzへ引き上げられた。これまでは1:1:1はDDR4-3800が限界で、費用対効果と確実性の関係からDDR4-3600が人気だったが、Ryzen 5000シリーズでは3800でも安定動作させられる可能性が増え、かつDDR4-4000でも1:1:1を狙えるようになった。
もちろんメモリーのオーバークロックにあたるのでDDR4-4000で動くことを保証するものではない。運が良ければDDR4-4000でInfinity Fabric2000MHz設定の安定動作が期待できる、という程度の意味に捉えておこう。

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