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Apple Watch 6に新デザインのiPad Air! 秋のアップル発表会第1弾 第24回

アップル歴約40年の筆者による「初めてのApple Watch」体験、Series 6レビュー

2020年10月27日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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Apple Watch Series 6

 Apple Watchも早いもので、第6世代のSeries 6が登場した。リアルタイムでApple ][から触ってきたが「Apple Watchを触るのは今回が初めて」という筆者が、Series 6に特徴的な部分と気になる機能に絞ってレビューをお送りする。

初めてのApple Watch

 今ごろどうして、と思われるかもしれないが、私はこれまでにApple Watchを使ったことがなかった。つまり、このSeries 6が、初めてApple Watchということになる。これまでも興味がなかったわけではないが、手を出せずにいた理由がいくつかあった。まずは、それを説明しておこう。

 1つには、まだ製品として十分に成熟していないのではないかという疑念があった。また、Apple Watchの提供する機能が、個人的なニーズにマッチしないのではないかという心配や、私自身の身体的な特徴が、この種のウェアラブルデバイスを使うのに適していないのではないかという心配もあった。

 それぞれの理由について、今回実際に使ってみて分かったことを先に言ってしまおう。まず製品として成熟していないのではないかというのは、主にバッテリーの持続時間のこと。「時計」というからには、最低でも1ヵ月程度は充電なしで使いたいところだが、100歩譲っても1週間は持ってもらいたい。最新のSeries 6でも、このあたりはあまり改善が見られず、スペック上の持続時間は「最大18時間」となっている。これはまったく不十分としか言いようがない。スマートウォッチの「常識」では許容範囲なのかもしれないが、ユーザーの立場から言えば、短いものは短い。どうして18時間では短過ぎるのか、言うまでもないかもしれないが、実際に試用中に遭遇した状況と併せて、少し後で説明する。

 次に、Apple Watchの機能が自分のニーズにマッチしないのではないかという心配については、実際に使ってみて杞憂だと分かった。

 今さら言うまでもなく、Apple Watchには、挙げきれないほど多くの機能がある。しかもサードパーティ製アプリを追加すれば、ソフトウェアで実現可能な機能は、ほとんど無限に拡張できる。おそらくすべての機能を毎日使いこなしているユーザーは皆無に近いだろう。それは難しいというよりも、そんなことをしていたら、便利を通り越して、日常がApple Watchに支配されたような状態となってしまうからだ。

 たぶん、一日中Apple Watchの画面を見たり、通知を受けたり、操作したりしているような日常となるだろう。Apple Watchは、自分が必要とする機能だけをピックアップして使えば、それでいいと思えるようになった。おそらく多くの人にとって、それだけで十分と思わせるような機能が2つや3つは見つかるはずだ。それが日常的なものになって意識せずに使えるようになったら、また別の機能を開拓していくといった楽しみもある。ただし、本当に必要とする機能が時刻を確認することだけだった場合、Apple Watchよりもごく普通の時計を選んだほうがいいことは言うまでもない。

 もう1つ、ウェアラブルデバイスを使うのに適していないと思われる私自身の身体的な特徴とは、端的に言えば目が悪いこと。老眼なのだ。遠くは今でも割と良く見えるので、日常生活に眼鏡はいらないが、本を読んだり、パソコンの画面を見る際には老眼鏡は不可欠だ。

 もちろんApple Watchの画面も、老眼鏡なしでは判読がかなり難しい。室内でパソコンを使いながら見る分にはまったく問題ないが、外を出歩く際には困る。老眼鏡をしたままでは遠くが見えず歩けないので、戸外ではほとんど外している。その状態では、Apple Watchがピコピコ鳴って、画面に何か表示されても、そのままでは何のことか分からない。

 現在時刻だけは、2本指でタップするだけで音声で読み上げてくれる機能があるので問題ない。これはかなり便利だが、メッセージやアラートをその場で読み上げる機能はなさそうだ。Voice Overを設定すれば、画面に表示されているものをすべて音声で読んでくれるが、操作ボタンのようなものまですべて読み上げてしまうので、ちょっとやり過ぎ。本当に知りたいことにたどり着くのに時間がかかったり、途中で面倒になってあきらめてしまう。そのあたり、選択的な情報の読み上げという点については、まだまだ改良の余地がありそうだと感じた。

 以上のような状況を踏まえて、ここ1週間ほど私が実際に使ってみて気付いたこと、こうあって欲しいといった願望などを述べていく。

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