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石川温のPCスマホニュース解説 第91回

菅首相就任に通信業界関係者の身震いが止まらない

2020年09月21日 09時00分更新

文● 石川温 編集● ASCII

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●「我々の周辺企業が路頭に迷うことになる」

 菅首相は「国民の財産である電波を使っていながら、20%の利益を上げているのがけしからん」という主張を繰り返している。しかし、ある関係者は「総務省が儲かるルールを作ってしまった。我々にはどうしようもない」と反論する。

 関係者が指摘するのが、昨年10月に改正された電気通信事業法だ。端末の販売に対して、上限2万円というルールができ、スマホの販売台数は大幅に落ちた。しかし、販売台数が減ったことで、端末に対する販促費も減った。結果として、収益が改善したのだった。

 関係者は「我々キャリアを儲けさせたくないのなら、端末の割引規制は撤廃した方がいい。それであれば、競争のために端末割引を増額するし、結果として利益は大幅に減っていく。菅首相の意向に添えるのではないか」という。

 また、菅首相は、9月13日のテレビ番組で「料金値下げに応じなければ、電波利用料の見直しに着手する」と語った。電波利用料はキャリアから国に対して支払われている。電波の帯域やユーザー数に応じて金額が設定されているのが、各キャリアグループとも200億円規模を毎年、支払っている。

 この発言に対して別の関係者は「電波利用料を値上げするのは結構だが、我々にしてみれば、コストになるので、料金値上げにつながることになる。料金を維持しようと思えば、どこかのコストを減らさないといけない。我々の周辺企業が路頭に迷うことになる」と語る。

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