Apple Watch 6に新デザインのiPad Air! 秋のアップル発表会第1弾 第16回
独自性を発揮する「iPad Air」アクセサリー&サービスとの連係にも期待
2020年09月17日 18時05分更新
米国時間9月15日にアップルが第4世代の「iPad Air」を発表した。タブレットやノートPCからは得られない「iPadならではの体験」を広く普及させるヒットモデルになりそうだ。長くiPad Proを使っている筆者もいきなり沸いてきた強い物欲を抑えきれなくなっている。
新しいiPad Airはオールスクリーンのデザインになって色鮮やかなカラーバリエーションが増えたことも魅力的だが、意外だったことはTrueDepthカメラによる顔認識に向かわず、側面電源ボタンにTouch IDによる指紋認証センサーを搭載したことだった。チップも現時点ではアップルデバイスの中で最先端を行く「A14 Bionic」としたことで、“iPad Proの弟分”として小さくまとめずに攻めたところが見事だ。上位機からの買い換え・買い増しに踏み切る現iPad Proユーザーも少なくないと思う。
iPad AirがMagic Keyboardに対応したことにも注目したい。iPad専用のMagic Keyboardは今年の4月に、2020年モデルのiPad Proの発売を受けて誕生した新しいアクセサリーだ。名前の通りキーボードではあるのだが、このアクセサリーの価値はそこに止まらない。iPadを装着した状態で宙に浮かせたようなスタイルになる「フローティングカンチレバー」により、iPadで楽しむコンテンツ体験をまったく新しいものに変えてしまう力を持つアイテムなのだ。
iPad Airも本体の両側面に、横向きのステレオスピーカーを配置している。iPad Proよりもスピーカーユニットの数は少ないが、力強いサウンドをiPad単体で再現してくれそうだ。Magic Keyboardがあれば画面を見やすい角度に傾けられるので、オールスクリーンデザインのLiquid Retinaディスプレイによる映像の没入感がいっそう引き立つ。筆者の場合、このフレキシブルな角度調整機能がiPad Proでビデオ会議に参加する時に超役立っている。
そしてiPadOS 14とアップルのワイヤレスイヤホン「AirPods Pro」を組み合わせて楽しめる「空間オーディオ」がついに登場する。
空間オーディオは対応するビデオコンテンツを再生しながらAirPods Proでサラウンド音声が楽しめたり、AirPods Proが内蔵する加速度センサーとジャイロスコープのデータを元にユーザーの頭の向きや位置をリアルタイム解析して、コンテンツの音像をあるべき位置に定位させる「ダイナミック・ヘッドトラッキング」機能が利用できるようになる新機能だ。
専用のサラウンドプロセッサユニットを必要とせず、スマホ・タブレットとのシンプルな組み合わせで同様のサラウンド体験を可能にする左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンは、今のところAirPods Proのほかにない。
iPad Airの発売よりも一足先に無料のソフトウェアアップデートによる提供が始まったiPadOS 14をiPad Proにインストールして、AirPods Proによる空間オーディオを体験した。AirPods ProはiPadOS 14をインストールしたデバイスにペアリングすると、ファームウェアが自動的に最新バージョンの「3A328」に書き換えられる。
Bluetooth機器リストからAirPods Proの設定メニューに入ると「空間オーディオ」の項目が新設されている。機能をオンにした場合の鮮やかな立体効果はビデオを再生する前にプレビューで確認もできる。
さて、この空間オーディオに対応するビデオコンテンツだが、筆者が色々探してみたところ、今のところアップルの動画配信サービス「Apple TV+」の定額制“見放題”で楽しめるオリジナルコンテンツか、またはレンタル・購入して見られる都度課金制の映画やドラマから、Dolby Atmos、または7.1ch/5.1chの音声トラックを収録するコンテンツを再生した時に、ダイナミック・ヘッドトラッキングを含めて有効になるようだ。
空間オーディオをオンにすると音場の広がりが驚くほどに豊かさを増してダイアローグ(セリフ)の明瞭度が段違いにアップする。息を吞むほどにリアルな没入感だ。顔の向きを変えてもダイアローグが振られずにiPadの画面の位置に正確に定位する。Apple Arcadeにもぜひ空間オーディオに対応するゲームを追加してほしい。
そしてアップルの定額制コンテンツ配信サービスをひとまとめにした「Apple One」にも注目したい。日本では秋から始まる個人プラン(月額1100円)とファミリープラン(月額1850円)にApple Music/Apple TV+/Apple Arcade/iCloudストレージの4点のみが含まれているが、アメリカやイギリスを含む6カ国ではアップルオリジナルのフィットネスプログラムをiPadで見ながら、Apple Watchと連携してワークアウトのモニタリングと記録が楽しめる「Apple Fitness+」をバンドルしたApple Oneのプレミアムプランとして提供される。
イベントでApple Watch Series 6が発表された直後から、これを買ったら家でYouTubeを見ながらヨガを始めようと期待を膨らませていた頃、畳みかけるように「Apple Fitness+」がローンチされるという朗報を訊いて筆者は夜中に小躍りした。日本のサービスインをぜひ急いでもらいたい。メインで使っている12.9インチのiPad Proのほかにもう一台、小回りが効くiPad Airを買ったらやっぱり今よりもっと幸せになれそうだ。
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