JAWS-UGのコミュニティイベント、オンラインでも大盛り上がり
24時間開催の「JAWS SONIC 2020&MIDNIGHT JAWS 2020」を楽しむ(オオタニ編)
2020年09月14日 13時00分更新
ジェフ・バーさんがコミュニティの価値とコロナ禍を乗り越えるヒントを披露
朝9時になり、休日モードの家族が起きてきたので、朝食のためにリビングへ。食べ終わったらコーヒー片手に、10時からのジェフ・バーさんの講演を聴くことにした。ジェフ・バーさんと言えばAWS黎明期の2004年11月から今に至るまでブログを書き続けるレジェンドで、奥様ともに親日家としても知られ、何度も日本に訪れている。今回はシアトルの自宅から東京時間にあわせて「Importance and Power of User Groups」というセッションを披露してくれた。
IT業界も長いジェフさんが、いわゆるユーザーコミュニティに参加したのは1976年に地元シアトルで運営されていた「Northwest Computer Club」に遡るという。ティーンエイジャーだったジェフさんは、学び、つながりあう、コミュニティの大きなインパクトを受けたという。その後、2002年にAWSに入社したジェフさんはテックブログを書き始め、2010年に開催された第1回のJAWS-UGにも参加した。
当時講演したジェフさんは、JAWS-UG(Japan AWS-User Group)について、まさに「サメ」だと語ったという。(クラウドが)トラディショナルITにとって「恐怖」であること、目的を達するのに「速くて・効率的」であること、知的好奇心にあふれた「ハングリー」であること、問題解決力や好奇心が高い「知的」な存在であることなどがサメに例えた理由だ。
2010年には5リージョン・12サービスだったAWSだが、2020年には24リージョン・175サービスまで進化を遂げている。日本でも、2011年にいよいよ東京リージョンがスタートし、2020年には大阪リージョンもフルリージョンになることが発表されている。こうした中、ジェフさんもたびたび日本のサービスについてブログを執筆し、2018年にはJAWS DAYSに登壇するために来日している。ジェフさんは運営や参加者に対して感謝を述べるとともに、JAWS-UGについて「Curious(好奇心が高い)」「Friendly(フレンドリー)」「Helpful(協力的)」「Enthusiatic(熱狂的)」「Motivated(自発的)」「Organized(組織化されている)などのキーワードで賞賛する。
では、なぜユーザーグループが重要なのか? ジェフさんは自発的に参加する「Voluntary」、個人としての貢献が差別化を生む「Energy」、共有し、話すことで賞賛を得る「Learning」、カジュアルな環境で友人を作れる「Connecting」の4つを挙げた。そして、JAWS-UGに対しては、こうした活動を継続しつつ、新しい学びや共有、つながりを作ってほしいと期待を語り、「安心して旅行できるようになったら、ぜひ招待してほしい」と語った。
その後、ジェフさんは運営からの質問に答える形で、コロナ渦におけるベストプラクティスを披露。共感、回復力、アジリティ、モチベーション、チャレンジ、コミュニケーション、技術的なアドバンテージなど7つのテーマを問いかけ、コロナ禍で起きる変化に対して前向きに取り組む重要さを訴えた。
女性のキャリアの悩みが披露された関西女子会、地方企業のクラウド婚活
昼からはシゲモリが復帰してきたので、拾えるセッションをレポートすることにした。2日目正午からの「AWS Ladies 関西女子的ダイバーシティ物語」では、関西女子会のひろみんとドリーの二人が倍速トークでまくしたてる(実際、スタジオ録画の倍速再生だったらしい)。今回はゲストのFumina Shintakuがエンジニアとして、女性としてのキャリアの悩みを公開で披露するというテレビ番組のようなセッションだった。
ソフトウェア会社勤務のShintakuさんは、JAWS-UGをはじめとした勉強会に参加して友達が増え、学んだことを社内で共有することで、社内でも相談されることになった。とはいえ、なにしろ勉強会には女性エンジニアが少ないため、キャリアの相談がやりにくかったという。そんなときに関西女子会に出会い、今回の登壇機会につながった。
まずは現状把握。高校からプログラミングに親しんできたShintakuさんの場合、コーディングスキルはわりと自信があり、プロジェクトマネジメントやUI/UXのスキルもあった。しかし、果たして社内に目指すべき道はあるのかという疑問もあったし、結婚・出産のようなイベントを経ても活躍できるのかがわからず、ロールモデルがないという不安もあった。そんな悩みを抱えながら、試行錯誤を経たShitakuさんは「難問を秒速で解決するUXプログラマー」という目標を掲げた。生涯プログラマーでいたいというShitakuさんはぜひこうしたキャリアの悩みを女子同士で話し合いたいとアピールした。