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JAWS-UGのコミュニティイベント、オンラインでも大盛り上がり

24時間開催の「JAWS SONIC 2020&MIDNIGHT JAWS 2020」を楽しむ(オオタニ編)

2020年09月14日 13時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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地方支部の活躍、そしてクラウドへのマッチングの鍵とは?

 続いて登壇したJAWS-UG群馬の石瀬直子さんは、直前の倍速トークとは異なった落ち着いた感じで支部の活動や個人アプリでAWSを使った事例を披露。2018年10月に第0回を開催以降、すでに19回も勉強会+バーベキュー大会をやっているというアクティブさには感動を覚える。AWSを使ってよかったこととして、「利用者が多いので、使い方を調べやすい」と話していたが、ユーザーグループのパワーがAWSの競争力の源泉だと思い知らされた。

群馬支部の開催頻度がすごい!

 15時20分からのJAWS-UGくまもとの松岡さんは、「地方ハウスメーカーのAWS初夜」というタイトルで、地方企業とクラウドとの出会いを「婚活」と見立てて、紹介した。建築業界はビジネス規模が大きく、最大手の売り上げはソフトバンクと同等の4兆円超えになるという。しかし、お金を持っていても、ITリテラシに欠けているのが業界の特徴。ITコンサルの松岡さんが支援している年商200億円・従業員500名という地場ハウスメーカーの情シスも、クラウドに興味を持ちながら、なかなか一歩を踏み出せなかったという。

 そんな情シスのために開催されたようないわば「婚活イベント」がAWS Summit 2019だった。でも、松岡さんがいっしょに行きましょうと言ったとき、情シス担当者が言ったのは「こんな僕でもいいのでしょうか?」というコメントだった。「地方でITが進まないのは、こうした遠慮があるのではないか」と松岡さんは指摘する。そのため、松岡さんがやったのは前日入りしてAWS Loftに行って、担当者といっしょにラテアートを作ることだったという。まずは敷居を下げ、身近に感じてもらうことが重要だったわけだ。

 翌日に幕張メッセのAWS Summit 2019に参加したが、基調講演の2時間後には担当者から「結婚します!」と言われたという。その後、8月にはAWSマネジメントコンソールを開いて、無事「初夜」を迎え、各拠点をインターネットVPNで結び、コロナ渦のためにテレワーク対応のために従業員の自宅ともつなぎ、クラウドの利用を徐々に開始した。松岡さんはまとめとして「初めてだから戸惑う」「敷居を下げる」「伴走大事」など、地方企業のクラウド導入のポイントを語った。

マネージメントコンソールを開くという「初夜」はドキドキ

一体感や熱量を感じられた24時間のイベントも無事完走!

 13日の17時、66本目のセッションが終了し、24時間におよんで開催されてきたJAWS SONIC 2020&MIDNIGHT JAWS 2020もいよいよ閉幕。おそらくほとんど寝ていないだろう実行委員長の吉江さんから閉会宣言が行なわれた。

 申し込み人数は最終的に1421名。JAWS-UGを知らなかった人も全体の13.5%の192名おり、カナダ、フィリピン、韓国、アメリカ、ベトナム、アイルランド、エストニア、オランダ、タイなど国外からの申し込みもあった。最大視聴者数は12日の370名で、真夜中のMIDNIGHT JAWSでも170~190名の視聴だった。まさに大成功だったと言えるだろう。最後、吉江さんは運営者、登壇者、そして参加者に熱い感謝を示し、オンラインでの懇親会となった。

24時間におよぶイベントの最後は「感謝」

 今年の前半はコロナ禍においてオンラインイベントは激増したが、やはり参加者同士の交流に難があり、配信も一方通行になりがちだった。もちろん今回のJAWS SONICもリアルで会うことはかなわなかったが、Twitterでガヤを飛ばしあい、登壇者が参加者になることで積極的にイベントを盛り上げたことで、コミュニティイベントならではの一体感や熱量を感じられた。

 また、一貫して視聴体験がすばらしかったのも指摘しておきたい。これにはバックエンドでシステム面での工夫や専門の配信班による洗練されたオペレーションがあったのは想像に難くない。長らく大型イベントを手がけてきたJAWS-UGのノウハウが、オンラインにおいてもきちんと活かされた結果であろう。

 記事化したいセッションはいっぱいあったが、技術的な知識不足、気力・体力のなさ、なにより時間の関係で、今回はここまでにさせていただく。とはいえ、さまざまなセッションで各支部への興味も俄然増したし、オンラインであれば地方の勉強会にも気楽に参加できる。しばしさぼっていたJAWS-UGの取材活動や登壇も、下半期はがんばっていきたいと思う。ともあれ、みなさまおつかれさまでした。

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