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JAWS-UGのコミュニティイベント、オンラインでも大盛り上がり

24時間開催の「JAWS SONIC 2020&MIDNIGHT JAWS 2020」を楽しむ(オオタニ編)

2020年09月14日 13時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 2020年9月12・13日の2日間、JAWS-UGのオンラインイベント「JAWS SONIC 2020&MIDNIGHT JAWS 2020」が開催された。66ものセッションが24時間ぶっ通しで行なわれたまさにクレイジーなイベントの模様を、アスキー編集部のオオタニとライターのシゲモリがお伝えする。本日アップするのはオオタニ編。シゲモリ編はこちらをご覧あれ。

実行委員長の吉江瞬さんが開会宣言!

ニューノーマルなJAWSイベント、歴史あるJAWS-UG東京からスタート

 コロナ禍時代のニューノーマルなJAWS-UGイベントとも言える「JAWS SONIC 2020&MIDNIGHT JAWS 2020」がいよいよ始まった。「Rave-Up!」というテーマの通り、フェスのように24時間イベントが続くというオンラインイベント。自分のペースで観たいセッションを視聴でき、場所にとらわれないので、首都圏からでも、地方からでも、海外からでも、フラットに参加できるのも大きな特徴と言える。

 17時前にいよいよイベントがスタート。セッションの間に繰り返し再生されるOPムービーがなにしろかっこいい。ダンサブルなEDMナンバーにのってJAWS-UGのメンバーが次々と登場し、コミュニティのわくわく感が凝縮されていて、とにかくアガる。

メンバーが次々と登場するムービーがとにかくアガる

 配信は後述する「Amazon IVS」を用いており、プレイヤーがWebサイトに埋め込まれている。YouTubeとは勝手が違うが、Twitterのタイムラインが横に流れるので、視聴者が盛り上っているのがわかる。

 冒頭、実行委員長である吉江瞬さんがサングラス姿で登場し、イベントの概要や2日間の楽しみ方について説明。「カンファレンス史上最大にチャラい」と謳うタイダイ柄のTシャツが当たるプレゼント企画についても紹介した。

 トップのセッションは、AWS Samuraiを2回受賞している吉田真吾さんがJAWS-UG 東京の10年について説明した。初のJAWS-UGとしてJAWS-UG東京が発足したのは2010年2月23日で、すでに10年の歴史を持つ。その後、2014年に登場したAWS Lambdaからサーバーレスの流れが到来し、「serverless conf」というイベントに発展。2014年にCLI専門支部が立ち上がり、2015年からはIoT専門支部、HPC支部、OpsJAWS、コンテナ支部、アーキテクチャ支部、AI支部などが次々と立ち上がった。

 当時のJAWS-UG東京について、CLI支部を立ち上げた波田野裕一さんは、「東京は参加者も300~400人になり、登壇するだけでステータスだった」と振り返る。専門支部の設立に関しては、「参加者が多すぎたので、少人数にセグメント化して、勉強会をやりたいというニーズに応えたもの」と吉田さんは語る。

 また、IoT専門支部のMAXこと松下享平さんは「2015年にAWS IoTが登場し、潮目が変わった」と振り返る。現在ではIoTのログやデータ収集、データマネジメントなどの手間がマネージドサービスによって吸収されたことで、「IoTを何に使うか」に焦点が当たっているという。その後、吉田さんは最近やたらお気に入りの「AWS Private Link」について説明したあと、スペシャルゲストとして初代代表のJAWS-UG竹下康平さん、副代表の堀内 康弘さんを召喚。AWSの進化を振り返った竹下さんは「いやあ、ドびっくりですよ」、コミュニティきっかけでAWS入りすることになった堀内さんから「コミュニティに育てられた」というコメントが出た段階でタイムアップとなった。

レジェンドの竹下さん、堀内さんがゲスト登壇

Amazon IVSを実戦投入したJAWS SONIC 2020ライブ配信の舞台裏

 その後もセッションは時間通りに進む。なにより、このイベントはタイムキーピングが素晴らしい。いろいろな事情で静岡県に3つある支部のうちの1つである磐田支部からは「ECSとGitLabでCI環境構築」、独学でAWSを勉強してきたというJAWS-UG初心者支部からは「初心者が避けがちなAWS Well-Architectedフレームワークを使ってWordPressサイトを評価してみた」、場所柄Rubyユーザーの多い島根支部からは「AWSとTwilioでお手軽会員登録システムを作った話」などが披露された。

 個人的に面白かったのは、19時40分からのMedia JAWS 三浦一樹さんによるライブ配信環境についてのお話だ。コロナ禍において一気に盛んになったライブ配信だが、ZoomとYouTubeを組み合わせたり、OBSというソフトで複数のソースを統合するのが、最近は一般的だ。とはいえ、ZoomやOBSが落ちたり、YouTubeからBANされたりして、配信が終わったら、イベント自体が終了してしまう。そのため、ライブ配信においては、クラウドサービスに頼り切ることなく、SPoF(Single Point of Failure)にならないサービス作りが必要だという。

 1400名以上の参加登録となった今回のJAWS SONICの配信では、「Amazon IVS」という新しい配信サービスを採用している。Amazon IVSでは複数のサービスを組み合わせるMedia Servicesよりも簡単に配信できるのに加え、プレイヤー自体をSDKとして提供している点が注目すべきポイントだと三浦さんは語る。

 今回SPoFを排除する工夫としては、ライブ配信システムが冗長構成で作られているほか、「Zoomが落ちたら、Amazon Chimeを使う」「WorkSpaces上でOBSを動かす」などの工夫も行なわれ、高い信頼性を実現している。また、配信データはMedia Servicesから分岐されて、S3にアーカイブされているほか、SDKで提供されているIVS PlayerもShifterに埋め込まれている。「AWSでライブ配信のシステム作るのそんなに難しくない」(三浦さん)とのことで、チャレンジする人も増えそうだ。

Amazon IVSを用いたJAWS SONICの配信システム

 さて、イベント開始時はライター重森と二人がアクティブ・アクティブの構成で稼働していたので、夜に登壇のあるオオタニは視聴しながら資料準備へ。沼口繁さんの「AWSコミュニティマネージャーから見たJAWS-UGとは」や「”JAWS SONIC 2020 & MIDNIGHT JAWS 2020”と"デザイン"」などが面白かったみたいなので、明日アップする予定の重森編を読んでもらいたい。

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