Mirabookとスマホとの連携プレイの使用感を紹介
過ぎてしまった間違いを悔やんでもしょうがないので、続いてMirabookの唯一のウリであるMirabookとスマホとの連携プレイの使用感をご紹介しよう。前述したようにMirabookとスマホを接続して、Windowsのようにマルチウィンドウズで複数のアプリを使用するには、スマホ側にHUAWEIのEMUIやSamsungのDexなどのデスクトップ化システムを搭載している必要がある。非搭載のスマホでもインターフェースがType-Cポートであれば接続の可能性はあるが、単にスマホのミラーリングイメージとなる。
今回は、筆者の日常使いのHUAWEI Mate 20 ProとSamsung Galaxy Foldの2機種で、実際にデスクトップ環境を使ってみた。使い方はきわめて簡単だ。まずMirabookのF8キーの直ぐ上に位置する電源スイッチをオンにする。続いてMirabook内蔵のUSB Type-Cケーブルを引き出して、プラグを目的のスマホに接続するだけだ。たったそれだけで、EMUIやDexデスクトップが起動する
起動後はほぼWindowsと同じ要領で、アプリケーションを起動し操作することができる。YouTubeなどの動画再生も大きな画面だと快適だ。筆者がChromebookでも愛用しているJota+で文書作成中に、一度だけ日本語JISキーボードがなぜか英語キーボードになってしまい一部の文字入力ができなくなってしまったが、設定メニューで物理キーボードを"STMicroelectronics Composite HID Keyboard and Touchpad"に選択し直すことで復活した。
Eメールアプリやオフィス系アプリも、やはり大きな画面での操作性と効率向上は素晴らしい。LINEとFacebookの両アプリをマルチウィンドーで並列して操作するなんてことも簡単だ。普段、スマホの狭い小さな画面で見ているスマートニュースも大きな画面で見ると見やすく便利だ。
ウエブブラウザーで調べ物をしながら、エディターで文章作成、そして時々、Facebookでコメントを書き込むという普段、パソコンでやっているWindowsパソコンの操作をそのままMirabook上でもスマホアプリを使って見栄えの良い画面でできてしまう。
実際にMirabookを3日ほど使ってみて、スマホに大きな画面とキーボードを付けて利用することで、その操作性は大きく向上することはしっかりと理解できた。しかし、それとまったく同じことは、テレワークブームで流行中のType-CポートやHDMIポート付きのモバイルディスプレイーやBluetooth接続のキーボードさえあれば簡単に実現してしまうことだ。
そして、現在入手可能なモバイルディスプレイーやBluetooth接続のキーボード、USBケーブルを合わせてもMirabook(1312g)より133gも軽い、1179gで実現してしまう。加えてトータル価格もMirabookより安価だろう。ひょっとすれば、モバイルディスプレイーやキーボードのクオリティもMirabookより高品質かもしれない。
そうなると現在のMirabookのユーザーにとってのメリットは、一体型であるオールインワン構造だけとなってしまう。Mirabookが当初の予定通り1kgだったら、オールインワン構造に加えて軽量であるメリットが光り輝いていたのにとても残念だ。
今回の公開スペックと実重量の差異に関しては販売元であるHTL様及び販売店であるヨドバシ.com様の両社から誠意的な対応を頂いた。基本的には、重量改定発表(9月1日)をする前の注文に関して、販売店ではなくHTL様がお客様の個々のお問い合わせなどに関しては誠意を持って対応するとのことだ。
ちなみに、ヨドバシ.com様からは、返却を受け付ける旨のメールが届いた。もちろん、新しいモノ大好きオタクの筆者は今のところこの風変わりなコンセプトのMirabookを返品する気はまったくない。
今後は、スマホの大画面化、折りたたみ型の拡大と低価格化、超安価なChromebookの台頭の時代だ。Mirabook系のスマホコンパニオンは、携帯重量1kg、売価39800円がひとつのターゲットプライスだ。一時的流行のテレワークではなく、今後は定常化しそうなテレワーク環境をサポートする機器が増えることは選択肢の広がるユーザーにとってはありがたいことだ。
今回の衝動買い
アイテム:Mirabook
・購入:ヨドバシ.com
・価格:5万9980円
T教授
日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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