定番CPUクーラーをチョイス
試したCPUクーラーは2種類で、1つ目はサイズの「白虎 弐AMD専用版」(型番:SCBYK-2000A)になる。9cmファンと全高1300mmのヒートシンク、3本の6mm径ヒートパイプで構成され、2900円前後と手ごろな価格なのが魅力。PCケースを選ばずに使え、取り付けもマザーボード標準のCPUクーラー固定マウンターを、そのまま使用するフックタイプになっている。
2つめはサイズの「虎徹 MarkII」(型番:SCKTT-2000)だ。3900円前後になるが、120mmファンと大型ヒートシンクで、8コア/16スレッドCPUの冷却も十分行える冷却性能を備えている。Ryzen 3 3300Xのコスパを考えると、3900円前後の追加投資は痛いが、後々Ryzen 7に換装するといった際にも、そのまま使える。
冷却アップでパフォーマンスはわずかに向上
Ryzen 3 3300XのCPU温度や、動作クロックの挙動などをチェックしていこう。 4K解像度で約5分のmp4動画を「HandBrake」のプリセット「Vimeo You Tube HQ 1080p60」(H.265)でエンコードした際のCPU温度などを「HWiNFO64」を使って記録し、まとめている。
CPU温度(CPU (Tctl/Tdie) [℃])や、動作クロック(Average Effective Clock [MHz])は最大値に加えて、約11分程度を要する処理時間の後半2分を抽出し、平均値を出している。
処理中のCPU温度が平均90度台に達するAMD Wraith Stealth Coolerも、平均動作クロックは4GHzを維持しているが、冷却性能がアップする「白虎 弐AMD専用版」、「虎徹 MarkII」では、温度ダウンとともに動作クロックが向上。クロック差は大きくないが、処理時間にしっかりと現れており、AMD Wraith Stealth Cooler使用時から白虎 弐AMDで9秒、虎徹 MarkIIでは20秒も短縮している。
なお、クロックアップした分、処理中の消費電力が上昇しそうだが、Ryzen 3 3300Xの「Package Power Tracking(PPT)」の88W内でクロックを引き上げているので、消費電力はいずれも120W前後に収まっている。
3900円前後の追加投資が必要になるが、Ryzen 3 3300Xの性能を引き出すなら、サイズ「虎徹 MarkII」がベストバイと言えるだろう。
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