登場とともに、その高いコストパフォーマンスで注目を集め、あっという間に高コスパPC自作の鉄板CPUのひとつになったのが、4コア/8スレッド、ベース3.8GHz、最大4.3GHzの動作クロックというスペックを1万5000円台前半で実現したAMD「Ryzen 3 3300X」だ。
その注目度は抜群で、発売から1ヵ月と少し経った7月上旬には軒並み完売状態に。その後もAMDからの出荷が確定せず、結局2ヵ月近く再入荷待ち状態になっていたが、8月下旬にAmazonなどの通販サイトを含め、ようやく再入荷。通販ではあっという間に完売していたが、店頭販売に限定していた秋葉原の「パソコンショップ アーク」では、9月1日の時点でも在庫が残っていたので、待望のRyzen 3 3300Xを手にした人も多いことだろう。
筆者もおもしろそうなので7月の段階で購入し、B550チップセット搭載マザーボードや、Radeon RX 5700と組み合わせてテスト環境として使ったり、「DEATH STRANDING」をプレイしたりしていた。
冷却性能に不安のある付属クーラー
パフォーマンス面は、「Zen 2ベースで1万円台のRyzen 3 3300X&3100の実力をチェック!」や、「4C/8Tの2万円アンダーCPU対決、勝つのはどれ?」で紹介している通り、なかなか優秀になっている。
ただ、実際にPCケースに組み込んで使っていて気になったのが、CPU温度になる。コスパ重視で組むならCPUに付属するCPUクーラーを使うのがベストだが、付属の「AMD Wraith Stealth Cooler」は最下位モデルになり、ヒートシンクは小型なうえに中央には銅柱も埋め込まれていないため、冷却性能はそれなり。
コンパクトミドルタワーPCケース(フロント吸気ファン×1、リア排気ファン×1)のNZXT「H510」に組み込み、「HandBrake」で4K動画をエンコード(1080p、H.265)すると、CPU温度はコア電圧が1.419Vまで上昇するのもあり、Ryzenの上限温度となる95度を超えてしまった。
もちろん、クロックダウンして温度を下げることで、そのまま問題なく動作するのだが、かなり気になる。そこで3000~4000円程度で購入できる定番CPUクーラー2種類用意。CPU温度や、動作クロックなどがどの程度変わってくるか試してみた。
テスト環境 | |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 3 3300X (4コア/8スレッド、3.8~4.3GHz) |
マザーボード | ASUS「TUF GAMING B550-PLUS」 (AMD B550、ATX) |
メモリー | Crucial「Ballistix Sport LT W4U3200BMS-16G」 (DDR4-3200 16GB×2枚) |
ビデオカード | SAPPHIRE「SAPPHIRE PULSE RADEON RX 5700 8G」 (Radeon RX 5700、GDDR6 8GB) |
SSD | CFD「CSSD-M2B1TPG3VNF」 (PCIe Gen4×4 NVMe M.2、1TB) |
電源ユニット | Seasonic「FOCUS-GX-750」 (750W、80PLUS GOLD) |
OS | Microsoft「Windows 10 HOME 64bit」 |

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