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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第112回

「夜のApple Watch」が来た。あとはバッテリー問題だ

2020年09月03日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●バッテリー問題は残る

 しかし、既存のApple WatchにwatchOS 7を入れたからといって、バッテリーライフが伸びるわけではありません。これはハードウェアの問題であるため、前述の18時間という持続時間は維持したままです。

 いくらApple Watchが睡眠モードになったからといって、この持続時間が飛躍的に伸びるわけではないのです。

 そこで採用したのが、Apple Watchが就寝前にバッテリー残量30%を切っていると、寝ている間に電源が落ちないよう、充電を促す仕組みです。

 朝起きた時にもバッテリー残量を表示して、継ぎ足し充電を促します。

 このように充電タイミングをユーザーに知らせる機能を実装していることは、睡眠モードをまっとうするだけのバッテリーの実力がないといっているようなものです。

 もちろん、そこをソフトでフォローし、寝る前と起きた後に出かけるまでの充電を習慣化を促す点はポジティブに受け取っていて、ハードとソフトをいったい開発して体験を作るアップルらしい作りだと思っています。

 とはいえ、ソフトと人の習慣化に任せてハードがいつまでも進歩しない、というわけにはいかないはず。個人的には2020年登場のApple Watchで、バッテリー持続時間を少なくとも48時間(2日)、できれば72時間(3日)に強化してくるのではないか、と予測しています。

 18時間を1日としてきたApple Watchのバッテリー持続時間は、「人は1日に6時間以上は睡眠するだろう、その間は充電するだろう」という前提のもとに、作られているのではないでしょうか。

 しかし睡眠中もApple Watchを使うとなると、この方程式では成り立たなくなってしまいます。単にバッテリー容量を大きくしたり、持続時間を長くしても、充電時間が短くならないと、夜寝ているときの計測に役立てられないからです。

 たとえばApple Watchがより素早い充電に対応するなら、2日に1度の充電ということで、48−3で「45時間=2日持続」72-3で「69時間=3日」という新しい方程式を打ち立ててくるかもしれません。

 まあ、3時間でフル充電されるなら、21時間持続でも問題ない気はしますが……。

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