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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第112回

「夜のApple Watch」が来た。あとはバッテリー問題だ

2020年09月03日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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※パブリックベータ版のiOS、watchOSのスクリーンキャプチャは、取材に基づいて特別に許可を受け、掲載しています

 アップルはApple Watch向けのwatchOS 7のパブリックプレビューを公開し、開発者登録をしている人以外でも、ベータサイトで登録すれば試せるようになりました。watchOSのベータ版を試す機会は開発者以外なかなか得られないので、貴重なチャンスと言えるかもしれません。

 Apple Watchは2015年4月に発売され、それ以来スマートウォッチ市場を牽引してきた存在で、その地位は現在も変わりません。すでに時計ブランドとしては、最高峰だったロレックスを上回る売上高に達しています。

 つい最近、日本で入手可能な21本ものスマートウォッチを一挙に試す機会がありました。丸い文字盤や、収録される独自の若々しいデザインなど、時計として多彩な演出にあふれています。そう考えると、Apple Watchはむしろ、一番時計っぽくない存在と言えるかもしれません。

 加えて、登場以来、Apple Watchのバッテリー持続時間は18時間(アップルの見解としては1日)から伸びておらず、2〜3日、あるいは1週間、1ヵ月というサイクルを持つ他社製品に劣っています。

 しかしながら、それ以外の部分でApple Watch以外を積極的に選択しにくい状況が続いています。iPhoneとの連携に限られますが、それでも基本的には、電話と時計をそれぞれ充電しておけば勝手に連携してくれる手軽さがあります。

 思った以上に、Apple Watchはメンテナンスフリーで、この点は実は、大きな強みではないか、と思いました。

 Apple Watchには、新しいスポーツのアルゴリズム「ダンス」や、高低差を考慮した自転車のナビゲーションなど、昨今の巣篭もり生活や、密にならない移動などの新しい生活様式に役立つトレンドが盛り込まれています。

 面白かったのが、手洗いセンサー。手を合わせて前後に動かす動作を検出すると、5秒ほどで画面表示が変わり、20秒の手洗いカウントダウンが始まります。20秒が過ぎると、シャボンで象られた「いいね」絵文字が表示される仕組み。

 これもiPhoneのヘルスケアアプリに記録されており、平均で何秒手洗いをしているかの統計が出てきます。こうやってデータを突きつけられると、もっと念入りにやろう、と思うものです。ちなみに、自宅に帰ってくると時計に手洗いを促す通知が届く点も気が利いています。

 ただ、watchOS 7を試していると、例えば台所で鍋を洗っていたり、洗濯物を干しているときにも手洗いセンサーが作動しており、この辺りは少し感度が高過ぎるかもしれない、と思いました。

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