3歳児くんの保護者をしてます盛田諒ですこんにちは。気づけば7月31日の記事「カブトムシを送り出す」から1ヵ月も空いてしまい、夏休みの絵日記をサボっている子どものようになっています。子は親の背中を見て育つというので背中を見せずに生きたいと、おんぶおばけのようなことを考えています。
サボりといえば在宅勤務。当初はついに会社に行かなくていい時代が来た、サボり放題、カーニバルと思えたものですが、実際はそんなサンバ的な明るいものではありませんでした。今の職場では在宅勤務中に家事をするのは禁止されて「サボり」とみなされます。なので仕事とプライベートをしっかり分け、朝は家事と育児を終わらせてからPCを開きましょうということになり「仕事の前の仕事が多すぎる」という生活はこれまでと変わりませんでした。
●朝のToDoリスト
・朝ごはんを作る
・子どもに起きてもらう
・子どもに朝ごはんを食べてもらう
・子どもに着替えをしてもらう
・子どもの保育園ノートを書く
・子どもを保育園に送り届ける
・子どもの遊んだおもちゃを片づける
・家中のちらかったものも一緒に片づける
・ダイニングの食べこぼしを掃除する
・水切りかごで乾いた食器を片づける
・朝ごはんで使った食器を洗う
・ふとんをたたんで押し入れにあげる
・ドラム式洗濯機の中で乾いた洗濯物をたたむ
・ごみの日を確認して、ごみを出す
・ケーブル類を片づけてルンバを動かす
夕方は夕方で子どもが帰ってくるまでに夜ごはんを作っておかないといけないので、何もしていなければ混とんの海へまっさかさま。仕方ないので昼の休憩を使い、野菜や肉を切るなど下ごしらえをして、野菜を甘酢に漬けこむだけのピクルスを作ったり、ホットクックに材料を放りこんで予約ボタンを押すなどして、夜のToDoリストになるべく余裕をもたせるようにやっています。生協のいわゆる料理キットも、週2くらいのペースで使うことになっています。
共働きなので妻とToDoは分担できるのですが、妻は月・火・木の3日間、朝7時ごろにクルマで仕事に出かけて、18時ごろに帰宅する生活。なので朝と夕方の家事は主に私が担当することになっています。妻に「なんだお前だけやってるように見えるように書きやがって」と睨まれそうなので書いておくと、妻は保育園バッグの準備や、保育園のお迎えをしています。洗濯物とか食器洗いとかの家事も共同分担。私だけが主にやってるのは掃除と片づけくらいです。
こうして家事育児をうまくこなさないと仕事の時間がとりにくくなることにくわえ、子どもと暮らしていると残業をすることも難しくなります。
仕事ができるのは子どもが保育園に行っている間に限られるため、基本9時〜18時の強制ホワイト勤務。これまで残業でどうにかしていたところを時間内に圧縮してやっていかねばなりません。どうしても残業が必要なときも、パソコンを開くや子どもに「お父さん!」と呼び出されるのでむずかしくなります。子どもと話しながらメールをしようとして「アスキーのお父さんです」と打っていたことに気づき、あきらめてMacを閉じたときもありました。
会社に通っていたころはある程度仕事によって生活時間が決まっていたところがありましたが、いまでは逆に仕事時間が生活によって決められているところがありますね。在宅ワーカーには家事も育児も仕事のうちってわけです。子どもを保育園にあずけられず、子どもを見ながら在宅勤務をしている人に比べればはるかに軽い負担ですが、それでも仕事の内容には制限が出てきます。
ただ逆に、家事と育児が仕事のストッパーになってくれる部分はあります。
在宅勤務になって「移動中だから」などと言い訳ができなくなったぶん、移動中に本を読んだり動画を観る時間がとりにくくなって、仕事は前よりサボりにくくなりました。実際、在宅勤務になって残業が増えたとか、働きすぎるようになったという調査もありました。子どもが保育園から帰ってくる時間がストッパーになって働きすぎないようになったのはいいことかもしれません。
実際、仕事が半強制的に終わることで、家族で一緒に夕めしを食えるようになったのはいい変化だったなと感じます。いつでも「仕事」「家庭」の優先順位を変えられるというのが本来だとは思うものの、「稼ぎが大事に決まってるじゃねーか」という新自由主義的圧力のある昨今、結局は惰性で仕事を選んでいたんじゃないかと思えます。半強制的に家庭を優先できるようになったのは習慣を変えるにはいい機会でした。育児をやらない父親には半強制的にワンオペ育児をやってもらったほうがいいっていう話みたいなもんであります。
そんなわけで家族の時間がとれるようになったのはいいんですが、自分の時間がとれないのは問題なので、搾取を逃れ、仕事をサボる方法を考えねばと感じている昨今です。とか言って、子どもが保育園をサボりたがるようになったらどうしよう。いけね、これが搾取するものの考えってやつか。
(8月7日、14日、21日の連載は休みました)
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。3歳児くんの保護者です。Facebookでおたより募集中。
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