在宅勤務に潜む意外な問題

「働きすぎ」ちゃうテレワーク攻略の鍵は休憩メソッドの構築

文●牧野武文/編集 ASCII

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在宅テレワーク経験者が感じたメリットとデメリット。意外にも「長時間労働になりやすい」というデメリットを挙げる人が多い。「多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)」(東京都産業労働局)より引用。

在宅ワークのデメリットは「働かなくなる」ことより「働きすぎ」てしまうこと!?

 初めてテレワーク、在宅ワークに臨む人の多くが不安に感じるのが「仕事にならないのではないか」「サボってしまうのではないか」ということだ。特に家族や小さな子どもが家にいる方は、頭を悩ませているかもしれない。

 しかし、すでにテレワークを以前から始めている方に尋ねると、まったく逆に「働きすぎ」が問題になっていることが判明している。平成31年3月に公表された「多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)」(東京都産業労働局)では、在宅ワークをしている人が感じているメリットとデメリットを尋ねている。

 メリットは「通勤時間・移動時間の削減」「育児との両立」「業務への集中力への向上」が上位にくる。デメリットは「勤務時間とそれ以外の時間の管理」「社内のコミュニケーションに支障がある」「長時間労働になりやすい」が上位にくる。つまり、テレワークは、業務に集中ができ、長時間労働になりやすいのだ。企業の労務管理を担当している人たちに話を聞くと、業務効率が低下することを心配している人は少なく、むしろ働きすぎによる従業員の健康や労務制度上の問題を心配している人が多い。

在宅勤務だと働き過ぎてしまう要因とは?

 働きすぎになってしまう最大の原因は、通勤時間が0になったことだ。通勤に片道1時間をかけて、8時間働く人は、心理的には合計10時間働いている感覚になっている。そのため、テレワークでもなんとなく10時間働いてしまう。

 また、自宅に家族がいると仕事に集中できないという人もいるが、これは慣れの問題にすぎない。むしろ、社内にいて、上司や同僚から「ちょっといいかな?」と声をかけられて、1on1の打ち合わせをしてしまうことがある。これにより、業務が中断されていた。在宅ではこれがなくなるために、集中ができるようになる。

家の中を仕事ゾーンと仕事禁止ゾーンに分けよう!

 このような「働きすぎ」「勤務時間とそれ以外の時間管理」の問題をうまく解決しているがやっているのが、自宅を「仕事ゾーン」と「仕事禁止ゾーン」に分けるやり方だ。

 例えば、書斎やデスクのある場所を仕事ゾーンに決め、ベランダ、テレビ前ソファ、キッチンは仕事禁止ゾーンに定める。仕事禁止ゾーンでは仕事はしない。一方、仕事ゾーンでは休憩せず、休憩を取る時は必ず仕事禁止ゾーンに移動する。この「移動」という身体的な行為を入れることで、オンとオフをうまく切り替えることができるのだ。

 いちばん悪い例は、テレビ前のソファで仕事をしてしまう、仕事用PCで笑える動画を見たり、趣味のネットサーフィンをするなど仕事以外のことをしてしまうパターン。だらだらと非効率的な長時間労働になりがちで、子どもや家族も気軽に声をかけてきてしまう。場所の切り分けと移動という行為によりオンとオフを切り替えることで、周囲に仕事モードなのかどうかを知らせるとともに、自分も気持ちの切替ができ、仕事の仕方にメリハリとリズムが生まれる。

仕事禁止ゾーンで一息つくのにおすすめのアイテム

 仕事禁止ゾーンでは、休憩をするためのアイテムを用意しておくとより効果的だ。単純作業あるいはリラックスでき、頭の中をいったんリセットできるものが好ましい。

1)キッチン:コーヒーを入れる
 仕事中に飲むためのコーヒーを淹れる。ドリップマシンを使わず、自分の手でドリップするのがおすすめだ。かかる時間は5分程度。お湯を注いでいる間は、何も考えずに頭を空にする。

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2)ベランダ:ブリージングデバイスを使う
 最近、コンサルやIT技術職などのハードワーカー達に注目を浴びているのがブリージングデバイス。頭をシャキッとさせるカフェイン、リラックスさせるGABA(ギャバ)などを、吸うことで適量を摂取できるデバイスだ。ニコチンやタールなどの成分は入っておらず、自然と深呼吸もできるため健康を重視する人の休憩アイテムとして人気が高まっている。ベランダで遠くの景色を見ながら、ブリージングデバイスを使う。吸い方によって蒸気を見えなくすることも可能なので、屋外が寒かったり暑かったりする際には、部屋の中で吸ったとしても家族も気にならない。もうひと頑張りしたい時はカフェインを、リラックスして気分を落ち着かせたい時にはGABAをと、次の仕事を考えて選択できることも魅力だ。

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3)リビング:ストレッチ
在宅テレワークは、頭ばかり酷使することになりがち。体を動かすのは、短時間でも気持ちを切り替える効果が高い。メソッドはストレッチでもラジオ体操でもかまわない。わずか数分、体を動かすだけでも、切替効果は高い。

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4)ダイニング:お菓子を食べる
頭を使うと、脳が糖分を欲する。そのため、デスクワーカーがお菓子を食べるのは理にかなっている。しかし、デスクでのながら食いは、かならず食べ過ぎになってしまう。ダイニングに移動をして、食べることにより、食べる量も制限できる。

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5)寝室:体を伸ばす
在宅テレワークをする人での悩みが、腰痛や肩や背中の凝り。立ち上がって歩く時間が少なくなり、座ったまま同じ姿勢を長時間取ることになり、体に負担がかかるからだ。思い切って、ベッドに大の字になってみるのも効果がある。さらに、蒸気アイマスクなどをつけて、ボーッとしてみるのもいい。寝てしまうのを心配する方もいるかもしれないが、昼寝をしてしまうのもひとつの方法。企業でも、業務効率を高める工夫として、睡眠カプセルや昼寝を取り入れているところも増えている。在宅テレワークなら、勤務時間も自分で調整しやすい。30分程度の昼寝をしてしまうのもひとつの方法だ。

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 もちろん、どこでどのような休憩の仕方をするかは個人の好みや環境に合わせて、「自分の休憩」を見つけていただきたいが、ポイントは、仕事環境をどうするか考えるよりも、休憩環境をどうするかを考えた方が、快適な在宅テレワーク環境を構築しやすいということだ。

 休憩メソッドは、ひとつではなく、複数用意しておき、業務の捗り具合に合わせて、適切な休憩メソッドを取ることによって、ストレスなく成果のあがる働き方ができるようになる。

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