現在、クラウドファンディングサイトであるIndiegogoで、バッカーを募集中のハンディ・インクジェットプリンターを先行入手できたので、当コラムでもご紹介したい。ハンディプリンターと聞くと国内では、どちらかと言えば業務使用を目的として昨年4月に発売されたリコーのハンディプリンターが有名だ。
今回ご紹介するハンディプリンター「Selpic P1」(以降Selpic)は、ほぼリコー製と同じ着想のハンディプリンターだが、本体重量は3分の1以下の92g、解像度は同等の600DPI、2.5時間の充電で実働3.5時間とリコーより1時間以上タフなモデルだ。そしてテキスト印字エリアのサイズは12.7×500mmとほんの少しリコー(13.5×594mm)より小さいが、パーソナルに使うにはまったく問題のないコストパフォーマンスの強力なモデルだ。
早速、香港より届いたパッケージとその中身をご紹介しよう。「世界最小プリンター」と記されたホワイトを基調にしたパッケージを開くと、ペン型のSelpic本体とインクカートリッジ、インクヘッド部分保護のマグネット吸着型のキャップ、充電用USB Type-Cケーブル、安全ガイド、取説、保証書、アプリダウンロード用QRコード記載カード、インクヘッドクリーニング用のアルコールパッドが4枚出てくる。
Selpicの本体は高さ約130mm、重さ92gほどのペン型ワイヤレスハンディプリンターだ。外観的には、チョット前に流行したペンスキャナー型の翻訳辞書が近いかもしれない。
Selpicは、印刷操作時、手に持った時の手前側に電源オンオフボタンと充電用のUSB Type-Cポートが配置されている。そしてその反対側には長楕円形の印刷開始ボタンとそのすぐ下側にインクカートリッジのリリース(アンロック)ボタンがある。
インクカートリッジ保護用の透明リテーナーを取り外し、インクカートリッジをSelpic本体にロックする位置まで押し込みしっかりと固定する。Selpic本体底面のインクヘッドの横には一つ車輪が配置されている。この一輪が、Selpicを紙などの印刷対象物の上を自由な方向に引き回すガイドの役目を担ってくれる。この一輪を上手く操って、横一文字だけの印刷ではなく曲線を描くようにも印刷できる仕組みだ。
現在のところインクカートリッジには、ブラック、シアン、ライトシアン、レッド、イエロー、マゼンタ、ライトマゼンタ、グリーンの全部で8色が用意されている。Selpicは一般的なカラープリンターのように同時に複数のインクカートリッジをセットして、多色を印字できるプリンターではない。カラーのインクを利用できるプリンターではあるが、一時的に使えるのは8色の中の1色だけ。ユーザーは必要に応じてインクカートリッジを交換して印刷する。これはほかのハンディカラープリンターも同様だ。今回、筆者が使っているインクカートリッジはマゼンタだ。
インクヘッド部や電子回路までも含んだカートリッジ1個の値段は、現在のIndiegogoで39 USドル。これは最終価格である59ドルの33%引きに当たるらしい。現在の為替相場だと4000円少々。これは我々が一般的なカラーインクカートリッジに持っているイメージに比べて、かなり高く感じてしまう。しかしこのカートリッジ1個で、A4サイズ用紙面積の5%を印刷する前提なら、約90枚分に相当するので意外と妥当なのかもしれない。
さてカートリッジのセットが終われば、付属のUSB Type-Cケーブルを使ってSelpic本体の充電だ。前述した通り、約2.5時間の充電で3.5時間印刷できる高パフォーマンスだ。Selpicはほかのハンディプリンターと同様、専用アプリとそれで作った印刷データの入ったスマホ(Android、iOS)やパソコン(Windows、Mac)と連携して印刷データを受信、Selpic単体でワイヤレスプリントができる優れモノだ。
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