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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第577回

Tiger Lakeは8KディスプレーとPCIe Gen4に対応 インテル CPUロードマップ

2020年08月24日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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Tiger Lakeに搭載されるGPUは
Ice Lakeの倍以上の処理性能

 さて残るはGPUである。ここにはXeが投入されるわけだが、もともとXeは3つのマイクロアーキテクチャーという話をしていたのが、最新のロードマップではこれが4つになった。

追加されたマイクロアーキテクチャーは、エンスージアスト向けディスクリートGPUであるXe HPGである

 このうちエントリ向けがXe LPであるが、これがTiger Lakeに搭載されるほか、開発者向けの評価ボードであるDG1、それとサーバー向けのSG1の3つの製品に搭載される。

DG1は今年1月に発表はあったのだが、もう開発者のところに届いているのだろうか?(市販されることはないと思うが)

 「サーバー向け?」という話はXeのところで改めて説明するので今回は割愛するとして、そんなわけでTiger LakeにはXe LPが搭載されることになる。主な特徴を挙げると以下のことが挙げられている。

  • 最大96EU構成
  • 3.8MBの3次キャッシュ(Xe専用)を搭載
  • LLC/メモリーへのアクセス帯域の強化

個々のEUの内部構造の詳細などはまたXeの回でまとめて説明する

 具体的な数字などは現時点においても一切示されていないが、Architecture Dayのビデオの1:00:25あたりから、Gen 11(おそらくIce Lake)との比較という形でいくつかのゲームデモの様子が示されており、同じフレームレートならずっと綺麗に、同じ画質ならずっと高いフレームレートで動作することが示されている。

 これは単にEUの数が増えたのみならず、動作周波数もずっと引き上げられていることも関係しているだろう。

Xe LPでは動作周波数も引き上げられている。こちらはCPU同様、10nm SuperFinの効果が大きい

 ちなみに、GPUについて動作周波数を推定してみると、Ice LakeベースのCore i7-1065G7のGPU(Base 300MHz/Max 1100MHz)と同じ消費電力枠では、Baseを850MHzあたり、Maxを1650MHzあたりまで引き上げられる計算になる。

 Configurable TDPで25W枠に増やした状態でのPL2(65Wくらい?)で言えば、1.8GHz位まで性能が上がりそうだ。

赤線は筆者が加えたもの。もっともBaseを850MHzまで引き上げるかはやや疑問である。300MHzに据え置きにして、その分消費電力枠を稼いでCPU側の性能を引き上げる方に充てるような気がする

 定格の最大の範囲で言えば以下のようになるわけで、軽く倍以上の処理性能になると思われる。

Ice Lake : Tiger Lake = 64EU×1.1GHz : 96EU×1.65GHz = 1 : 2.25

 問題はメモリーがそれに追いつくかどうかという話であって、本領を発揮できるのはそれこそLP5-5400を実装する将来の製品であり、とりあえず出てくるLPDDR4x-4266ベースの製品とかではここまで差はないかもしれない。

 ところで一般論であるが、通常インテルがここまで詳細な情報を出す場合、製品投入が近いことが予想される。現状では具体的な日付などは一切明らかになっていないが、そう遠い日ではないように思われる。

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