では実ゲームベースのベンチマークに入ろう。まずは軽いベンチの代表である「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ」の公式ベンチを使う。解像度はフルHD(1920×1080ドット)固定とし、画質は一番低い“標準品質(ノートPC用)”といつもビデオカード検証用に使っている“最高品質”の2通りでテストした。最後に提示されるスコアーの他に、ベンチ中のフレームレートでも比較する。
このテストではRyzen 5 PRO 4750Gの結果が入っているが、これは検証に使ったマザーボード(「B550M Steel Legend」)ではなく、筆者が準備した別のマザーボード(GIGABYTE「B550 VISION D」)である。厳密な比較にはならないが、最高品質設定において妥当なスコアー差(または平均fpsの差)が出ているので、概ね正しい結果であると思われる。標準品質(ノートPC用)だとどれも5500ポイント台で頭打ちになっているが、これはCU数ではなくメモリー帯域などがボトルネックになっていることを示唆している。
Ryzen PRO 4000Gシリーズの内蔵GPUは、画質を最低に落とせばそこそこ良いスコアーを出せている(5500ポイント台なら“とても快適”判定)が、フレームレートを見ると平均40fpsにも届かない。エフェクトが飛び交うような戦闘シーンではかなり心もとないので、ギャザクラ(採取と生産)などのアクション要素の少ないシーンでなら遊べるといったところだ。
続いては軽さという点では現在トップクラスの「VALORANT」で試してみる。画質は最低設定と最高設定とし、射撃練習場で一定のコースを移動した時のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。
これ以降のベンチでは、Ryzen 7 PRO 4750Gは検証用マザーボード(B550M Steel Legend)でも問題なく動作している。
軽さが売りのタイトルだけに、最低画質にするとRyzen PRO 4000Gシリーズでも最低でも144fps以上、平均220fps程度は出せている。これなら高リフレッシュレートディスプレーと組み合わせても十分プレイできそうだ。ただRX 560を組み合わせたRyzen 3000シリーズはRyzen PRO 4000Gシリーズの2倍程度のフレームレートを出せているので、ゲーム中の重いエフェクトが重なる瞬間を考えると、Ryzen PRO 4000GシリーズよりもRyzen 3000+安価なビデオカードの組み合わせの方が安心感がある。
Core i7-10700Kも平均127fpsと案外健闘したが、最高画質設定ともなると平均33fps程度に落ち込んでしまう。Ryzen PRO 4000Gシリーズも優秀だが、VALORANTでは旧世代のRyzen 3000Gシリーズでも十分な結果になっている。CU数を絞った実装をしているので仕方のないところだが、旧世代製品ともう少し差が付く程度にGPUを強化して欲しいところだ。
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