VALOANTとならぶ軽量FPSといえば「Counter-Strike: Global Offensive(CS:GO)」だ。今回はSteam Workshopで配布されている「FPS Benchmark」を組み込んでテストした。画質は低設定、つまりマルチコアレンダリングとプレイヤーの強調処理には手をつけず、残りの設定は低または一番下の項目に合わせた画質と、全て最高にした設定の2通りで試した(モーションブラー系は双方オフ)。また、FPS Benchmark開始時に選択できる設定は、すべて“Recommended Value”のものを選択している。フレームレート計測は「CapFrameX」を使用した。
基本的にCU数の多いGPUを内蔵したモデルの方が平均fpsも高くなるため、CU数が6基しかないRyzen 3 PRO 4350Gは、CU数8基のRyzen PRO 3200Gよりもフレームレートが低くなる。画質を絞ればRyzen PRO 4000Gシリーズでも平均120〜144fpsは出せるのでゲームも楽しめると思うかもしれないが、スモークグレネードが炸裂した瞬間に20fps台に落ち込むため、真剣にCS:GOに取り組みたいならRyzen PRO 4000Gシリーズの内蔵GPUは適した選択とはいえない。
CS:GOに限らず煙の処理はフレームレートのカクつきの原因になりやすいため、快適にプレイするならもう少し高性能のビデオカードとRyzen 3000シリーズとの組み合わせを推奨したい。
比較的軽量かつ人気のFPSタイトルの例として「Rainbow Six Siege」も試してみた。APIはDirectX11とし、画質“低”設定と画質“最高”にレンダースケール100%設定を追加した設定の2通りで検証した。
このゲームではCore i7-10700Kの内蔵GPU環境では起動画面で止まってしまったため、測定結果ナシとなっている。
Rainbow Six Siegeでも全体の傾向はこれまでのゲームと同じだが、フレームレートは全体的に控えめだ。一番下の“低”設定でならRyzen PRO 4000Gシリーズでも60fpsキープで遊べるだろうが、高リフレッシュレートディスプレーを組み合わせたプレイヤーの前には圧倒的不利に立たされることは間違いない。
旧世代のRyzen 3000Gシリーズのフレームレートを上回れるのがRyzen 5 PRO 4650GとRyzen 7 PRO 4750Gの2モデルであるため、旧世代APUから乗り換えを考えているのであれば、自然とこの2つにターゲットが絞れてくるはずだ。
まとめ:動画エンコードも軽めのゲームもいける
バランスの良さが光る製品
検証は以上で終了だ。内蔵GPUの規模が旧世代よりも若干小さくなった点は残念だが、Ryzen 5 PRO 4650G以上であれば、旧世代のRyzen 3000GをCPU性能でもGPU性能でも上回ることができる。既存のAPUユーザーにとっても、物理6コアのRyzen 5 PRO 4650Gは良いアップグレードターゲットになるだろう。
Ryzen 3 PRO 4350GはGPU部がやや弱いという弱点はあるものの、CPUのパフォーマンスは前世代のAPUを大きく凌ぐ。YouTubeを見たりちょっと書類仕事をするといったライトユースではRyzen 3 PRO 4350Gはかなり良い選択だ。ただLightroom Classicのベンチ結果や、PCMark10のApp Start-Upテストなどのスコアーから、Ryzen PRO 4000Gシリーズは万能ではないことも分かった。
しかし動画エンコードでは意外なことにRyzen 3000シリーズに迫る性能を見せた。1分1秒を短縮したいならRyzen 3000/3000XTシリーズ一択だが、Ryzen PRO 4000Gシリーズならビデオカードを使わなくてもシステムが組めるのは捨てがたいアドバンテージだ。Ryzen PRO 4000Gシリーズなら、小型で低消費電力なPCでも動画編集をしたい、というニーズにしっかり応えてくれるだろう。
(提供:AMD)
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