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石川温のPCスマホニュース解説 第85回

「中国のような社会になるのは……」日本の接触確認アプリが徹底的にプライバシー保護に配慮した背景

2020年08月04日 09時00分更新

文● 石川温 編集● ASCII

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新型コロナウイルス感染症対策テックチーム 平将明内閣府副大臣

 一向に収まる気配のない新型コロナウイルス。そんな中、厚生労働省が提供している接触確認アプリ「COCOA」のダウンロード数が1000万を突破した。

 「全国民の6割が入れないと意味がないんでしょ」「そもそも、インストールしてもメリットがない」と言ってダウンロードしていない人も多いだろう。

 しかし、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための有効な対策がない中、我々、個人が少しでも自分や大切な人を守るためにできることとして、アプリをインストールすることは決して無駄ではないはずだ。必ずしもインストールしたからと言って、何か得するようなメリットはないかもしれない。しかし、一方でデメリットもないのだから、まずはイントールして社会の役に立ってもいいのではないか。

COCOA

●「国民の6割」は国の目標ではない

 そもそも、このCOCOAアプリ、本当に全国民の6割がインストールしないことには役に立たないものなのか。

 内閣府の「新型コロナウイルス感染症対策テックチーム」をリードする平将明内閣府副大臣は「6割という数字は安倍総理が発言して、僕もビックリしてしまった。ただ、6割というのは国の目標ではなく、そういう研究もあるという紹介だった。確かに僕のTwitterアカウントにも『みんなが入れないと意味がない』という声が寄せられている。しかし、日本大学からシミュレーションが出ているが、何割いかないと効果がないというものではなく、一人一人が入れることで少しずつ効果が積み上がるものだと思っている」と語る。

 実際のところ、COCOAはわずか40日程度で1000万ダウンロードを達成している。日本国内のスマホユーザーのほとんどが使っていると言っても過言ではないLINEが半年、大盤振る舞いのキャンペーンをユーザーを一気に獲得したように見えるPayPayでも1000万突破に10ヵ月を要している。実はCOCOAの1000万ダウンロードは驚異的なペースとも言えるのだ。

 平副大臣も「ダウンロードが少ないという声もあるが、思ったよりは多いのではないか。みなさん、意識が高い。日々の感染者の数への関心もあり、アプリが正しく理解されれば、誤解は払拭されるのではないか」と評価する。

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