APUも8コア版登場でインテルの牙城を崩せるか?
では最初に販売が始まったRyzen PRO 4000 Gのスペックや特徴をまとめておきたい。アーキテクチャー的にはCPU部がZen2、GPU部がVegaであり、既存のRyzen 3000 Gシリーズと比較するとCPU部の世代が1つ新しくなり、現行のRyzen 3000シリーズに「近くなったもの」といえる。
Ryzen PRO 4000 Gシリーズの詳しい技術解説については、既に大原氏が詳細な記事を上げている。詳しく知りたい方はそちらをご覧いただくとして、ここでは注目すべきポイントを挙げるのみにとどめたい。
●物理コア数は4/6/8コアの3モデル&TDP65W、GPUなし版よりもクロックはやや下
先世代のRyzen 3000Gシリーズは4コア(C)/4スレッド(T)もしくは4C/8Tの2モデルしか存在しなかったが、今回は4C/8Tから始まって6C/12T、さらに最上位は8C/16Tとコア数が大幅にアップした。コア数だけを見れば、Ryzen 3000シリーズの方が安くてコア数の多いモデルが手に入るが、内蔵GPUを持たないためビデオカードの組み込みが必須になる。だがRyzen PRO 4000Gシリーズならば、ビデオカードを省略できるためASRock「DeskMini」のような小型PCで運用できるのは大きなメリットだ。
動作クロックについても前掲のスペック表の通り、同コア数のX付きモデルと同じか、それより微妙に低い値に設定されている。GPUを統合したことでCPUと電力を分け合うことになるため、TDP65Wのまま同クロックで納めるのは少々厳しいのかもしれない。
この連載の記事
-
第455回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」が最強ゲーミングCPUであることを証明する -
第454回
デジタル
性能が最大50%引き上げられたSamsung製SSD「990 EVO Plus」は良コスパSSDの新星だ -
第453回
デジタル
性能も上がったが消費電力も増えた「Ryzen 7 9800X3D」最速レビュー、AI推論の処理速度は7800X3Dの約2倍! -
第452回
自作PC
Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証 -
第451回
自作PC
Core Ultra 9 285K/Core Ultra 7 265K/Core Ultra 5 245K速報レビュー!第14世代&Ryzen 9000との比較で実力を見る -
第450回
デジタル
AGESA 1.2.0.2でRyzen 9 9950Xのパフォーマンスは改善するか? -
第449回
デジタル
Ryzen 9000シリーズの性能にWindows 11の分岐予測改善コードはどう影響するか? -
第448回
デジタル
TDP 105W動作にするとRyzen 7 9700X/Ryzen 5 9600Xはどの程度化ける? レッドゾーン寸前を攻める絶妙な設定だが、ゲームでの効果は期待薄 -
第447回
デジタル
Zen 5とTDP増でゲーム性能は向上したか?「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」の実力チェック -
第446回
デジタル
「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」は“約束された”最強のCPUになれたのか? ベンチマークで見えた利点と欠点 -
第445回
デジタル
「Ryzen 7 9700X」「Ryzen 5 9600X」のゲーミング性能はゲームキングRyzen 7 7800X3Dに勝てる? - この連載の一覧へ