新型コロナウィルスの影響で、人々の生活にマスクは必需品になっています。春先は各国でマスクが品薄となり、他業種からもマスク生産に参入する例が増えました。日本ではシャープのマスクが大きな話題になりましたが、IT系もマスク生産を始めるメーカーが増えています。
そういえばマスク不足のころに、ネットで「スーツケースや旅行カバンの中を探せばマスクが入っていることがある」なんて情報をみかけました。たしかに旅行にマスクを持っていく人は多くいますよね。筆者も「そんなことあるかなあ」なんて思いながらもカバンを整理してみたところ、ノキアの小物ポーチが出てきました。スマートフォンを入れておくのによさそうなサイズ。さっそく何か入れようかとファスナーを開けてみると、中から不織布マスクが出てきました。
これは日本のIT関連イベントのノキアブースか、あるいは日本のノキア(ノキアソリューションズ&ネットワークス)へ取材へ行ったときにいただいたもの。今でもノキアマニアな自分にとっては、大切なものなので使わずにとっておいたのでした。いただいたのはおそらく2~3年前です。風邪や花粉症の時などマスクは家に常備しておくと便利なもの。ノキアはそんな家庭の必需品をノベルティーとして配っていたんですね。今となっては大変ありがたいものです。
さて、IT企業のマスク生産で独自の展開を見せているのがゲーミングPCを手掛けるRazerです。RazerのCEO、ミン-リャン・タン氏の本国であるシンガポールでは、自動販売機を設けて国民にマスクを無料配布しています。Razerの製造ラインでマスクを生産し、世界各国へ無料配布もしています。
また、Razerのオンラインストアでもマスクを販売。不織布マスクに加え、布マスクも販売されていますがどちらも人気で常に品切れ状態が続いています。筆者も注文してから届くまで2週間以上かかりました。
Razerの不織布マスク「#RAZERFORLIFE SURGICAL MASK」は香港で30枚159香港ドル(約2200円)で販売されています。パッケージはRazerのゲーミングデバイスの黒を基調としたものではなく、いかにも医療用品といったデザイン。緑色を使っているのはRazerのコーポレートカラーだからでしょう。
マスクそのものにも「RAZER」「#razerforlife」がエンボス加工で入れられています。わかる人が見れば「Razerのマスクだ」と気が付くでしょう。このようにブランドやロゴが入っているとなると使うのがもったいないと考えてしまいます。Razerのマスクは人に会うときなど「ハレの日」用にしようと思います。
せっかくなので予備のマスクと普段使っているマスクを収納するケースを買ってきました。香港ではこんなプラケースが100円程度で街中で売られています。そしてここにRazerのステッカーを貼れば、専用ケースのでき上がり。これから毎日持ち運ぼうと思います。
このケースには予備マスク(ビニールパッケージ未開封)を2枚と、外出中に使っているマスク1枚を収納できます。カフェなどに入ったとき口から外したマスクを(ビニール袋に入れたうえで)ここに入れれば、汚れや紛失もなくなりますし、友人に会った時などにこのマスクの話題になれば、ケースに入れある新品マスクを譲ってあげることもできます。
そのほかのIT企業としては、中国の電池メーカーBYDも大々的にマスクの生産を始めています。BYDは今では電気自動車の大手メーカーでもあります。BYDはビーワイディージャパンを通して、日本へ無料マスク配布も行ないました。
BYDの不織布マスクにもエンボスで「BYD Electronics」の文字が入っています。さすがにBYDに気が付く人はいないかもしれませんが、このマスクをつけていると「メーカー品を付けているんだ」という安心感が不思議と湧いてきます。
また、IT企業ではありませんが、香港ではバス会社が自販機でマスクを販売しています。当初は自社のバス運転手用などとして自社生産を始めたもの。それを一般市民でも買えるようにしたのです。KMB(九龍バス)のマスク自販機は香港の5ヵ所に設置されています。いずれもバスの乗り換えジャンクションにあるカスタマーセンター付近に併設。マスクは20枚で10香港ドル(約140円)。通勤や通学途中に買う人の姿もよく見かけます。
この自販機ではマスクのほかに、ミニチュアバス模型やバスの形を模したUSBメモリーも販売中。記念品・お土産販売も同時に行なっています。なかなか面白い試みです。
ということでマスクのついでにUSBメモリーもついつい買ってしまいました。マスク以外のものも併売すると、筆者のように他のものも買ってしまう人もいるでしょうね。
薬局やコンビニへ行けば、いろいろなメーカーのマスクが売っています。不織布のマスクなら値段で選ぶ人が多いでしょう。しかし大手メーカーがマスクの製造販売を始めるようになると、どうせ買うなら好きなブランドのマスクにしたい、と指名買いする人も増えてくるでしょうね。現に筆者は多少高くてもRazerのマスクが欲しくて購入しました。今後マスク市場は様々なメーカーが参入するようになり、デザイン面の多様化だけではなく機能性アップや新素材の採用など、興味深いものになっていくのではないでしょうか。
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