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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第571回

AppleがMacをARMベースの独自チップに移行、モバイル向けでいかにx86に立ち向かうか?

2020年07月13日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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世代ごとに平均16%ほどIPCを改善する
iPhone/iPad向けSoCの驚異の性能

 Keller氏が退職した後も、プロセッサー性能の伸びを見ると、なかなかすごいものがある。下表は、GeekBenchのBenchmark Chartsを使ってiOSアプリケーションのシングルコア性能の一覧から、SoC別にまとめたうえで1GHzあたりのシングルコアの結果の平均を取ったものである。

GeekBenchによるiOSアプリケーションのシングルコア性能一覧。このページの結果は随時更新されるので、これはあくまでも原稿執筆時点での数値である

GeekBenchによるiOSアプリケーションのシングルコア性能
SoC 1GHzあたりのシングルコアの結果
A13 Bionic 490.7
A12Z Bionic 446.8
A12X Bionic 445.0
A12 Bionic 443.5
A11 Bionic 383.2
A10X Fusion 361.3
A10 Fusion 331.0
A9X 280.5
A9 302.5
A8X 252.0
A8 231.8
A7 199.1

 派生型(例えばA8→A8XとかA9→A9Xなど)はあまり大きな性能のジャンプはないが、An系列で言えば、下のグラフのように世代ごとに平均16%ほどIPCを改善していることが見て取れる。

 ちなみに最新のA13 Bionicで490.7(絶対値で言えば冒頭の画像の先頭にあるiPhone 11 Proの2.7GHz駆動で1325~1327)というスコアがどのくらい高いかというと、x86向けのシングルコア結果で以下のようになっており、もうIPCという意味ではとっくにx86を凌駕していることになる。もちろんGeekBenchの結果だけで判断するのは無茶であり、1つのサンプルでしかないが目安にはなるだろう。

GeekBenchによるx86向けのシングルコア結果
CPU スコア 1GHzあたりのスコア
Core i9-10900K(3.7GHz) 1418 383.2
Ryzen 9 3950X(3.5GHz) 1295 370.0

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