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スタートアップ起業するなら、名古屋がオススメな理由

名古屋スタートアップの有識者たちがトークセッション

特集
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地域スタートアップエコシステムの最前線~名古屋特集~」というテーマのピッチイベントが開催された

地域スタートアップエコシステムの最前線 名古屋特集

 6月、スタートアップ企業と大企業の事業提携を生み出すことを目的としたピッチイベント「Morning Pitch」を運営する、Morning Pitch運営事務局が「地域スタートアップエコシステムの最前線~名古屋特集~」として、名古屋をテーマにしたピッチイベントを開催した。

 「新型コロナ感染のリスクを最低限にするため」として、オンライン形式で実施。MTG Ventures 代表取締役 藤田 豪氏、PREVENT 代表取締役 萩原 悠太氏、なごのキャンパス 企画運営プロデューサーであり、株式会社LEO 代表取締役の粟生 万琴氏と、名古屋のスタートアップに造詣の深い人物登壇し、「名古屋スタートアップの特徴」「Withコロナ時代における地域のスタートアップエコシステム」といったテーマでトークセッションを披露した。

名古屋でスタートアップが盛り上がっている

 内閣府では、スタートアップエコシステム拠点都市の形成を推し進めようとする動きを見せており、国内の状況として、地方都市におけるスタートアップ企業に注目が集まっている前提がある。

 また総務省ではコロナウイルスの流行以前からリモートワークの普及促進を図っており、コロナウイルスの流行以降は、記者会見などでも各自治体の首長らが積極的にリモートワークを薦めるようになった。

 こうした動きを受けて、盛り上がりを見せているトピックが「地方都市におけるスタートアップ」である。そもそもは、地域活性化や地方の税収増といった文脈で語られることも多かったテーマだが、コロナウイルスの流行以降は「リモートワークを積極的に取り入れれば、人口密集地帯に拠点を置くことなく、活発なビジネスを成り立たせられるかも」という視点からも語られる機会が増えた。

東和不動産は、旧那古野小学校をリノベーションしたインキュベーション施設「なごのキャンパス」を2019年10月に設立した。粟生 万琴氏が企画運営プロデューサーとして関わっている

 名古屋市では、名古屋市内で創業するスタートアップ企業に対し、最大で100万円の経費を助成する取り組みも実施している。

 登壇した粟生 万琴氏が企画運営プロデューサーを務める起業家やスタートアップの育成拠点「なごのキャンパス」など、スタートアップをサポートする拠点も存在し、スタートアップの起業を目指す人にとって、名古屋は魅力的な土地のひとつなのだ。

有識者が話す名古屋での起業がオススメな理由

 今回のピッチイベントを視聴して、有識者たちが話す「名古屋でスタートアップを起業する意味」も非常に面白かった。

 MTG Venturesの藤田 豪氏はベンチャーキャピタルの視点から、「名古屋は、住むといい場所で、東京も大阪も近いし、緑も多くて子供が育てやすい。温泉も多く、大都市の中では、コロナの感染者も抑えられている方。

 それだけでなく、国内でも大きな都市の割には、人間関係が狭く、ネットワークが近いという特徴もある。誰かに会いたいと思ったときに、ワンステップからツーステップで会いたい人に会える可能性が高いと思う」と話した。

 これを受けて、ヘルスケア分野の事業を展開するPREVENTの萩原 悠太氏は「キーマンとつながれる部分もあるし、(東京と比べるとスタートアップ企業の母数が少なく)ワンオブゼムになりにくいとも感じている。私が今日ここに読んでいただけたように、努力をすればちゃんと注目してもらえるのも名古屋のよさだと思う。目立てることで、次のビジネスにつながっていくメリットがある」と語った。

 粟生 万琴氏は、「東京、京都と比べると、やっぱり人とすぐにつながれるところはあると思う。以前はややコミュニティーが閉鎖的なところもあったが、そうしたことを気にせずに頑張っていこうと考える若い世代も台頭してきており、変わってきている。協力者や支援者も見つけやすく、企業や工場も多く、データを提供していただけるチャンスも多い。温かく迎え入れてくれる感じがある」と、名古屋の特徴に触れた。

 一方で藤田 豪氏は「名古屋大学周辺のサポート体制は整っているが、小学生、中学生、高校生という年代には、起業するという選択肢がない気がしている。拠点を作ったり、イベントを実施して『企業という選択肢』を示してあげられると、7年後にはここが変わってくると思う。

 また愛知県は、工業だけでなく農産が盛んな県でもあるが、農業に関わるテック企業などはそれほど多くない。ここももっと増えてくるといいと思う」と、これからの名古屋のスタートアップエコシステムの課題にも触れた。

 粟生 万琴氏は、別の課題として、「女性の起業率や就業人口が低い」点にも触れ「大企業に勤務する夫を持つ専業主婦率が高いことが理由だが、そんな人たちにこそ起業してもらいたいとも思う。夫の収入が安定していれば、もし事業がうまくいかなくても、ご飯が食べられなくなってしまうことはない。リスクはすごく低いと思う」

 また藤田 豪氏は「主婦層の意識を変えるには、子どもに対する教育が重要だと思うが、もしかしたら、コロナの影響で、起業という選択肢に思い至る人も出てくるかもしれない」とも話した。

 ピッチイベントは1時間30分ほど実施されたが、登壇者たちの仲のよさや、普段から互いの動向を把握して、協力している様子が伝わってくるイベントであり、まさに粟生 万琴氏が「温かく迎え入れてくれる」と話したコメントを想像させた。

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