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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第103回

アップル「CarKey」と高級車メーカーの不都合な関係

2020年07月09日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●U1チップによる統一に向けた取り組み

 今回のNFCベースのCarKeyの実現は、2020年5月にCar Connectivity Consortium(CCC)で標準化がなされた仕様、Digital Key Release 2.0を用いたものでした。

 そのためBMW以外の自動車メーカーも、順次NFCベースのデジタルキーの採用が拡がっていき、その際にiPhoneやApple Watchへの対応が進んでいくと考えられます。

 アップルによると、今後はCCCで、UWB(Ultra Wide Band)を用いた無線によるデジタルキーの標準化に取り組むとしています。これはDigital Key Release 3.0に相当する仕様です。NFCを用いたクルマのカギより、さらに自然なデジタルキーの体験が待っています。

 筆者のクルマもそうですが、一部の車種では独自にUMBを使ったキーレスエントリーを実現しており、カギがカバンに入っている状態でクルマに近づけば、ドアノブに触れればカギが開き、スタートボタンでエンジンがかかります。

 またカギを入れたカバンがクルマの中にあれば、ドアノブに触れてもカギがかからない仕組みも実装しており、カギの閉じ込みも防いでくれます。

 ただし、UWBが必須となるため、現在発売されているiPhone 11、iPhone 11 Proでしか、次世代デジタルキーでは利用する事ができません。iPhone SE2も、2020年発売モデルながら、U1非搭載であるため、UWBベースのデジタルキーは利用できないことになります。

 今後発売されるiPhoneにはU1チップが搭載されることになるでしょうし、Apple Watchの次世代モデルにもU1チップが搭載されることになるでしょう。

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