青春を謳歌するという面白さがここに
本作のメインストーリーは、仲間とともに殺人事件の謎を調査するパートと、テレビの中の異世界を探索してシャドウと戦うパートのほかに、青春を謳歌できる日常パートも用意されている。これら3つのパートを同時並行で進めていく。
本作は自由度が高く、理想的な青春を思うがままにシミュレートできる。テレビの中の異世界を探索してもよし、日常生活を送ってもよしと、1日1日をどのように過ごすかはプレイヤー次第だ。だが、完全に自由というわけではなく、本来の目的を思い出させるかのように時間制限が設けられている。町中に霧が立ち込めると、テレビの中の異世界に迷い込んだ失踪者(キーパーソン)が死ぬ、つまりゲームオーバーとなるのだ。
いくら自由とはいえ、主要のタスクを達成しないと青春はそこで終了。タスクを早く、そして漏れなく攻略できるよう、効率的なスケジュールを組まなければならない。最初は1日をどう過ごそうか迷うが、優先すべきタスクを決めておけばスムーズにこなせるのではないかと思われる。
例として、今日はダンジョンを少し探索し、明日は勉強に集中するといった具合だ。1日1日のスケジュールを管理し、メインストーリーの進行とキャラクターの強化を同時並行で進めていく。日常生活をシミュレーションする面白さもあると感じた。
1年の間で、勉学やバイト、部活動、仲間と遊びに行くなど、多岐にわたるイベントが発生する。ときには季節限定のイベントも発生し、輝かしくもポップな青春を堪能できる。「シリアスな状況なのに青春しちゃっていいの?」と思う人もいるだろうが、実は青春を謳歌するという行為は本作における攻略の要となっているのだ。
パーティーメンバーやサブキャラクターたちと交流すると、絆を意味する「コミュニティ」(以下、コミュ)が芽生える。各キャラクターと交流することで、コミュのランク(10段階)を上げていく。ランクが1段階アップすると好感度も上昇する。
その恩恵として、指定された属性のペルソナを合体時に経験値ボーナスが得られるのだ。加えて、パーティーメンバーとの絆を深めれば、戦闘中に「敵の攻撃をかばう」「ダウンした味方を起こす」などといった行動を取ってくれる。
また、イベント時に主人公のパラメーター「勇気」「知識」「伝達力」「寛容さ」「根気」が上がることも。5つのパラメーターを上げれば上げるほど、新たなイベントの発生や会話の選択肢が増えるようになっている。
逆にいえば、特定のパラメーターを上げないとイベントの発生はおろか、好感度アップにつながる会話の選択肢を増やせないということだ。こういった自分磨きの作業は、メインストーリーを攻略する際の必須条件といってもいいだろう。
青春を謳歌すればするほど、プレイヤーを含むパーティーメンバーも強くなるうえに、絆も深まっていく。ユニークでありながらも強化要素の一部として重要な役割を果たしていると感じた。日常パート内で発生するサブイベントの種類は豊富にあるので、メインストーリーを含むとプレイボリュームはかなり多めだ。コンプリートを目指してガッツリプレイするなど、やり込み要素は十分すぎるほどに高い。
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