未曾有のパンデミックにより文明が崩壊した世界で描かれる、極限のサバイバルと残された人間たちによる善と悪のドラマ。それこそが、ノーティードッグが贈るサバイバルアクションゲーム「The Last of Us」の魅力といっても過言ではないだろう。
私はPlayStation 3版(2013年)の1作目をプレイした際、「映画をプレイする」の頂点に到達したクオリティーにとてつもない衝撃と感動を覚えた。感情を揺さぶるシナリオに手に汗握るサバイバルアクションと、ゲームプレイとストーリーテリングのバランス調整が秀逸で、昨今のゲームにはなかった余韻を味わえる最高傑作だった。
あれから7年後、シリーズ第2弾である「The Last of Us Part II」が6月19日にリリースされる。今回、私はThe Last of Us Part IIを一足先にプレイする機会を得たので、本作のファーストインプレッションなどを紹介していきたい。
過酷なサバイバルを強いられる戦闘システム
まずはThe Last of Us Part IIの戦闘システムから解説しよう。本作に登場する武器は銃、弓、近接武器、投てき武器(火炎瓶など)。サバイバルを追求した仕様により、弾薬などのリソースは少ない。無駄撃ちするとあっという間に弾が尽きてしまう。限られたリソースをどのように活用して戦うか、そもそも戦闘するべきか否かを考えながら行動する必要があるのだ。
武器をうまく使い分けたり、安全かつ確実に倒せるポジションを見つけないとクリアは厳しいだろう。シビアなゲーム性だが、非力な人間が複数の敵に立ち向かうことの難しさと、サバイバルの過酷さを表現するうえでは、極めて妥当な仕様であると思われた。それこそが本作、もといThe Last of Usシリーズの魅力であると私は考えている。
The Last of Us Part IIを試遊してみて、前作以上の過酷なサバイバルを体験することになった。「敵NPC」という脅威の存在が一番の理由である。
前作から引き続き「人間」と「感染者」が登場するのだが、新しいタイプの敵が追加されている。ネタバレになるので詳細は控えるが、プレイヤーの恐怖心を煽る強敵と対峙することになるだろう。戦っても、逃げても、隠れても、息苦しいほどの緊張感が消え去ることはなかった。前作で思う存分味わった絶望と恐怖が、飛躍的なパワーアップを遂げていた。
そのほかの新要素として、装備インベントリー内でクラフトができるようになった点やジャンプ、ハンドガンの銃声を消す「サイレンサー」などが挙げられれる。
個人的にうれしいと感じた新要素は、近接攻撃の「回避」ができるようになったことだ。敵の近接攻撃を受ける前にタイミングよくボタンを押せば回避ができる(さすがに銃弾を回避するのは難しいが)。さらに、回避してからカウンター攻撃をお見舞いすることも可能。最初は失敗するかもしれないが、慣れれば効率のよい近接戦闘を実現できるはずだ。このように、戦闘面における利便性が強化されている点も注目すべきポイントである。
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