日本電気(NEC)は5月19日、携帯電話番号を宛先として一斉にSMSを配信できるクラウドサービス「NEC SMSプッシュサービス」において、従来配信先として対応していたNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクに加え、6月下旬より楽天モバイルの携帯キャリア(MNO)サービスにも対応すると発表した。本サービスでは長文送信をサポートしているため、660文字以内であれば上記4キャリアに向けて一斉にSMSを配信できる。
近年、知らない電話番号からの着信には出ない人が多いため電話による通知が困難なケースが増えており、また大量のスパムや広告メールが氾濫しメールによるアプローチも開封率が低いなどの課題があるという。一方、SMSはポップアップで表示されるため開封率が高く、また長期的に変更されることが少ない携帯電話番号を宛先としているため、個人に対するダイレクトなアプローチ手段として適しているとする。
今後、SMS市場は大きく拡大すると考えられており、2023年度には国内のSMS配信総数が2019年度比で4倍以上になるとの試算もあるという。同社は、具体的には下記のような用途での活用が進むと想定している。
・ウェブサイトへログイン時の2段階認証
ウェブサイトの不正アクセス防止、セキュリティ向上のための認証。携帯電話側で専用アプリなどを用意する必要がないため、利用者の負担が少ない2段階認証手段として活用。
・ハガキによる督促・通知業務の代替
毎月定期的に顧客に送付しているはがきなどの代替手段。郵送コストが削減できるほか、顧客の携帯電話に直接通知が届くためレスポンス率が向上。
・電話対応の代替・効率化
コールセンターなどでの人手不足の中、顧客とのやり取りの一部、またはすべてをSMSで代替することで、顧客対応コストの削減、業務の効率化などが期待できるという。
同社は本サービスを「NEC Smart Connectivity」のデータコネクティビティサービスの1つとして位置づけ、同サービスの「請求書デジタル化サービス」とも連携する。