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Xperia 1ロングランレポート 第43回

ドコモ版Xperia 1で楽天モバイルのSIMは使えるけど使えない!?

2020年05月03日 10時00分更新

文● 中山 智 編集●ASCII

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 4月8日からMNOの楽天モバイルが正式にスタートしました。筆者は神奈川県に住んでいる関係で、楽天モバイルがスタート以前にやっていた無料サポータープログラムには参加できず、正式スタートによりやっと楽天モバイルのSIMが入手できましたのです。

楽天モバイルのSIMがやっと手に入った

 今回は、この楽天モバイルのSIMが長期レビューで使用しているドコモ版の「Xperia 1(SO-03L)」で使えるかどうかテストしてみます。ちなみにSIMロックは解除済みで、海外旅行先で現地のSIMを使ったり、世界中でローミングが定額のGoogle Fiなどは問題なく使用しています。

 楽天モバイルのSIMは標準、micro、nanoと3種類に抜き出せるタイプ。Xperia 1はnanoSIMなので、一番小さいサイズで抜き出します。あとはXperia 1に挿せばOK。再起動をすると……、ダメです。電波を拾いません。

楽天モバイルのSIMをXperia 1にセット

無情にも圏外

 設定から「ネットワーク」→「モバイルネットワーク」→「詳細設定」で「ネットワークを自動的に選択」をオフにして、キャッチできる電波を探してみても「Rakuten」の電波はありません。

ネットワークの選択を手動にしても楽天の電波はみあたらない

 試しにファーウェイから借りているSIMフリーの「HUAWEI Mate 30 Pro 5G」にセットすると、ちゃんと楽天モバイルの電波を拾い、通信も問題なくできました。なのでSIMやネットワークの問題ではなくXperia 1の問題のようです。

 調べてみると、楽天モバイルは自社エリア外はauのローミングとなっていますが、auすべてのバンドを使ったローミングではなく、基本的にはバンド18だけ。そして残念なことに、ドコモ版のXperia 1はバンド18に対応していません。ちなみに楽天モバイルの自社回線はバンド3を使っており、こちらはXperia 1も対応しています。

Xperia 1の対応バンド表

 筆者の自宅は楽天モバイルのローミングエリア。当然バンド18に対応していないXperia 1は電波をキャッチできないわけです。そこで楽天モバイルのエリアマップをチェックして、ローミングではなく楽天モバイル自身のエリアに移動してネットワークの選択を手動にしたところ、無事電波をキャッチできました。

ローミングではないエリアまで来たら電波をキャッチ

スピードテストの結果

 手動で一度選択しておけば、あとは自動でもつながっていました。APNは「rakuten.jp」でモバイル通信もできます。登録はされていないので、手動で設定から登録する必要があります。速度テストの結果は上下50Mbps弱といったところ。また、楽天モバイルのオリジナルアプリ「Rakuten Link」からの通話やSMSも問題なしです。

Rakuten Linkでの無料通話も問題なし

Rakuten LinkからのSMS送信もOK

 というわけで、ドコモ版のXperia 1でMNOの楽天モバイルを使う場合は「自社回線エリアだけ利用可能」ということになります。ドコモからMNPで楽天モバイルに移動して、使用しているXperia 1を使おうと考えているユーザーがいたら要注意ですね。

※Xperia 1(SO-03L)/Android 10で検証しました

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筆者紹介:中山 智

 海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

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