新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、テレワーク(リモートワーク)も広がっている。
ホワイトカラーの仕事に就いている人の多くが自宅作業をしている中で、管理職たちの頭にはこんな考えがよぎっているのではないか。
「うちの社員は、ちゃんと働いているのか」
メールやSlackなどのメッセージにこまめに返事をしておけば、実際に何をしているかは見えない。仕事の合間に、洗濯や料理、子どもの世話などに追われている人も多いのだろう。
調べてみると、遠隔で仕事をしている人たちを管理するツールはすでに、日本国内にも複数存在する。
企業側の論理に立てば、テレワークの普及は、実は遠隔で働く社員を管理しやすくなる状況でもある。
●57%が「テレワークの時間管理難しい」
人材関連サービスを提供するエン・ジャパン(東京都新宿区)は2019年6月から7月にかけて、テレワークをテーマとしたアンケートを実施した。回答者数は651人。
「導入の上で、難しいと思ったポイント」に関する設問(複数回答ができる)に対して、回答者の57%が「時間管理」と答えている。
また回答者の49%が、始業、就業の連絡を含む「業務ルールの設定」と答えた。
●一定の間隔で、PCのスクショ送るサービス
こうした悩みに答えるサービスは、すでに複数が存在する。
在宅勤務のコンサルティングを手がけるテレワークマネジメント(東京都千代田区)は、「F-Chair+」(エフチェアプラス)というサービスを提供している。
このサービスでは、従業員のパソコンにアプリをインストールする。
テレワークの従業員がパソコンで作業を始める時は、「着席」ボタンをクリックする。そうすると、パソコンの画面の状態を撮影した画像が断続的に送信される。
管理職は、ウェブで画像をチェックし、従業員がサボっていないかを確認できる。
スクリーンショットの撮影間隔はランダムに設定されているため、従業員は常に「緊張感が続く」(エフチェアプラスのウェブページの記述より)という仕組みだ。
作業が進まず煮詰まったからといって、YouTubeで面白そうな動画を物色していたら上司にバレてしまう。
●GPSで所在も管理
営業支援システムを開発しているレッドフォックス(東京都千代田区)は、GPSで業務を管理する仕組みを提供している。
同社が公開している導入事例によれば、コインランドリーを展開している企業の清掃担当者の管理にも使われている。
清掃の担当者がコインランドリーに着いたら、タブレットで作業開始のボタンをタップし、作業が終わったら終了のボタンをタップ。どのコインランドリーの清掃が終わったかは、GPSで特定できる。
外回りの営業マンの管理にも、この仕組みは使われている。
きょう、どの会社に営業をかけたかは、GPSで自動的に特定され、先方の反応や営業の成果などをスマホやタブレットで報告できる。
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