電子計測器ビジネスはもちろん
全部門で売上を大きく伸ばす
Keysightの4部門体制での財務状況をまとめたのが下表である(2015/2016年の数字は、過去の業績を4事業部門に組み替えた場合のもの)。2017年はIxiaの買収分業績が上乗せという程度だが、2018年にはすべての部門で売上が増えている。
| 4部門体制での業績(単位:ドル) | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 年度 | 売上 | 営業利益 | 純利益 | ||||
| Communications | Electronic Industrial |
Ixia | Services | 合計 | |||
| 2015 | 17億300万 | 7億5800万 | 7億100万 | 28億5600万 | 4億3100万 | 5億1300万 | |
| 2016 | 17億5200万 | 7億7600万 | 4億200万 | 29億1800万 | 4億600万 | 3億3500万 | |
| 2017 | 17億3800万 | 8億3600万 | 2億5600万 | 4億1900万 | 31億8900万 | 2億3900万 | 1億200万 |
| 2018 | 20億3700万 | 9億6500万 | 4億5100万 | 4億6100万 | 38億7800万 | -3億4600万 | 1億6500万 |
2018年に営業利益が赤字なのは、Ixiaの買収にともなうのれん代の減損処理を行なったためで、ただしその結果として税金が大幅に減ったことで、純利益は前年並みに確保した格好だ。
その2018年に、もう一回組織変更が実施された。これは、Service Solutionsの解体である。
そもそもCommunication SolutionとElectronic Industrial Solutionsでは扱っている消耗品も異なれば、較正なども異なるし、中古再生品にしても両方の事業分野にまたがる製品は少ない。
Ixia部門はこうしたService Solutionにあたる機能を自分の事業部で抱えているため(Ixiaの買収時にこれらをService Solutionに移管することはできなかったようだ)、「ならば各事業部でそれぞれService Solutionを提供する方がいいのでは?」となったらしい。
その再編後の2019年までの業績が下表の通り。上の4部門体制での財務表と比較するとわかりやすいが、2018年度で言えばCommunications向けサービスの売上が3億ドル、Electronic Industrial向けサービスの売上が1億ドルといったところだったようだ。
| 2019年までの業績(単位:ドル) | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 年度 | 売上 | 営業利益 | 純利益 | ||||
| Communications | Electronic Industrial |
Ixia | 合計 | ||||
| 2017 | 20億6400万 | 9億2900万 | 2億5600万 | 31億8900万 | 1億4800万 | 1億200万 | |
| 2018 | 23億9200万 | 10億7100万 | 4億5100万 | 38億7800万 | -3億9400万 | 1億6500万 | |
| 2019 | 26億8800万 | 11億3500万 | 4億8900万 | 43億300万 | 7億1100万 | 6億2100万 | |
ちなみに2020年度に入り、Keysightはもう1回再編を行なっている。これはIxia部門がCommunicationsに統合された形だ。こちらはまだ第1四半期の決算しか出ていないので数字は省くが、従来のIxia部門の売上がそのままCommunicationsに合算された形になると思えば良い。
2019年は全部門で売上を大きく伸ばしており、純利益も6億ドルと独立後で言えば過去最高になっている。
このようにいろいろと社内での変遷はあるものの、基本的には祖業とでもいうべき電子計測器のビジネスを現在もそのまま引き継いでいるのがKeysightと言って良いかと思う。
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