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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第558回

HPの業務を継承したKeysightとAvago 業界に多大な影響を与えた現存メーカー

2020年04月12日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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AvagoからBroadcom Ltd.に社名変更
親会社だったAgilentの売上を抜く

 Avagoが変貌したのは2015年である。5月28日、同社はBroadcom Corporationの買収を発表する。買収金額は370億ドル。うち170億ドルが現金、200億ドルが株式交換による。

 買収は2016年に完了したが、認知度を考えてか買収後の社名はBroadcom(ただしBroadcom Ltd.)としたが、この買収により2016年の売上は倍増した。2010~2019年までの業績を下表にまとめたが、2015年からとんでもない数字になっているのがわかる。

2010~2019年までの業績(単位:ドル)
年度 売上 営業利益 純利益
2010 20億9300万 4億6600万 4億1500万
2011 23億3600万 5億8400万 5億5200万
2012 23億6400万 5億8200万 5億6300万
2013 25億2000万 5億5200万 5億5200万
2014 42億6900万 4億3800万 2億6300万
2015 68億2400万 16億3200万 13億6400万
2016 132億4000万 -4億900万 -18億6100万
2017 176億3600万 23億8300万 17億8400万
2018 208億4800万 51億3500万 126億1000万
2019 225億9700万 34億4400万 27億2400万

 そしてBroadcomの買収の後は、積極的にM&Aを仕掛けるというかつてのBroadcomと同じ路線に突き進む。同じ2015年にはEmulex(2009年にも旧Broacomから買収提案を受けていた)、2016年にはBrocade Communication Systemsを買収、2017年にはQualcommへの買収提案を行なっている。

 2017年11月には総額1300億ドルもの提案を行ない、2018年までもつれにもつれたこの買収、最終的にはトランプ大統領により買収禁止の大統領令が出てご破算になったが、そのご破算の直後に同社は189億ドルでCA Technologiesの買収を発表する

 2019年には107億ドルの現金でSymantecからエンタープライズ向けセキュリティービジネスの買収を発表している。

 こうした企業買収により、売上は大幅に伸びており、もはや親会社だったAgilentをとっくに抜いて、旧親会社だったHPEに近いところに達している。

 ただQualcommの買収を言い出したあたりから、同社のフォーカスエリアは創業時のAvagoのビジネスから次第に外れ始めた感がある。

 CA TechnologyとかSymantecのEnterprise Securityは完全にソフトウェアソリューションであって、実際2019年の年次報告によれば同社のビジネスは半導体ソリューションとインフラ向けソフトウェア、それとIPライセンスであると明言されている。

 その一方で、旧Broadcomの膨大な製品ポートフォリオが、次第に生産中止やサポート終了になるなど、半導体部門への関わり合いが次第に減りつつあるように思われる。この先Tan氏がどこにAvagoというかBroadcomを導こうとしているのか、わかっているのはTan氏だけという気がする。

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