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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第657回

ノスタルジー! 自宅に篭もって2001年のカメラで撮影した猫写真を発掘

2020年04月11日 10時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家 編集●ASCII

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21世紀になったばかりのカメラと猫たち

 緊急事態宣言発令中の東京。外出できなければ家に篭もって発掘すればいいじゃんシリーズ第2弾。2001年に2001年のカメラで撮った猫である。

赤外線写真を撮れる「ナイトショット」で暗い場所の猫を下から。周辺が暗いのはレンズから照射する赤外線の範囲が狭いため。赤外線写真ならではの質感が面白かった。2001年11月 ソニー Cyber-shot 707

 2001年に一番よく使ったカメラがソニーの「Cyber-shot F707」だった。これ、大きなレンズが回転する……当時、これは回転式レンズじゃなくて回転式ボディーだねといわれたシリーズで、猫を撮るのにめちゃ都合がよかったのだ。このデザインで今の技術で作ったらいい猫向きカメラになるだろうなあと思うけど、もうこんなデザインのカメラは出しづらいよねえ。

Cyber-shot F707(2001年発売)。注目はCarl Zeissというロゴの両側にある小さな○。この2つから赤外線が照射されて赤外線撮影ができる。

 で、他にはない特徴をひとつもってたのである。それが「ナイトショット」という赤外線撮影機能。真っ暗な場所でも赤外線を照射し、その反射で赤外線写真を撮れたのである。

 冒頭写真がその赤外線で撮った猫。レンズが回転するのをいいことに、下から見上げて赤外線撮影である。赤外線照射範囲が狭いので、ほんとに暗いときは赤外線があたる範囲だけ丸く写るのもまた怪しくてよかった。怪しいよね、これ。今思えば、すごい機能を載せてたなあと思う。

京都の友人宅へ泊まったとき、ナイトショットで撮った「とめ」。ストーブが真っ白。なんと、この「とめ」は存命です。すげー長寿。2001年12月 ソニー Cyber-shot F707

 この機能、あまりに怪しいのかいつしか搭載されなくなった。ただ、この頃のデジカメは最高ISO感度が400や頑張っても800くらいしかなく、ナイトショットは重宝したのである。ちなみに普通に撮影したのがこちら。ちゃんと撮れております。

同じく「とめ」。この頃は若かった。ナイトショットではなく通常の撮影。2001年11月 ソニー Cyber-shot F707

ベッドの上で妙な格好で寝そべってたうちの猫「にや」。けっこうきれいに撮れるのだった。このシリーズ復活しないかな。RX707とか。2001年6月 ソニー Cyber-shot F707

 この頃、ソニーはCyber-shotとは別のシリーズも展開していた。MAVICAである。画像を磁気ディスクにアナログ記録する「ビデオスチルカメラ」として登場したMAVICAは、デジタルの時代になり、フロッピーディスクに写真を記録するデジタルマビカとして復活。2001年にはなんと8cmのCD-RWを記録メディアとするCDマビカが発売されたのである。CD-Rに記録ですよ。

 当然ながら記録先がCDなので書き込みに時間はかかるし、ボディーもかさばるのだった。ちなみに8cmのCD-RWの容量は約156MB。それでもフラッシュメモリーを使ったメディアより大容量だったのだ。まあ、この時代ならではのカメラってことで。たまたまそのCD MAVICAで撮った猫写真があったので思いだしてみた次第。

どこで撮ったか良く覚えてないのだが、この首輪は印象的だった。2001年 ソニー Mavica MVC-CD300

 時代を感じさせるといえば、今はなきブランドのカメラも思い出してあげたい。それはミノルタ。ミノルタといえば老舗の光学機器メーカーでDiMAGEシリーズを展開しつつ、2003年にコニカの子会社となってコニカミノルタとなり、2006年にデジタル一眼レフ関連事業(つまりαシリーズ)がソニーへ譲渡され、コンパクトデジカメは終わりを告げるのだがこの時点ではまだ先の話なのだ。

 この年、ミノルタはハイエンドカメラ「DiMAGE 7」を発売したのだった。EVFを搭載したり、7倍のメカニカルズームを採用するなど意欲的ではあったけど、あまりヒットはしなかったかな。

500万画素のハイエンド機「DiMAGE 7」で暗渠にいた猫を這いつくばって猫撮影。2001年6月 ミノルタ DiMAGE 7

 世界初の屈曲光学系(最近一部のスマートフォンで採用されているペリスコープ型の前身)を搭載したDiMAGE Xもこの年だ。

 ではそれ以外のメーカーも見ておこう。IXY Digitalが大ヒットしたキヤノンだが、個人的に好きだったのは「Powershot S30」。スリムなボディーで写りも良かった。

京都の友人宅にて「とめ」と一緒に飼われていた「みけ」。こちらはすでに亡くなってしまった。2001年11月 キヤノン Powershot S30

 カシオからはQV-4000。EXILIMシリーズは2002年登場なので、まだQVオンリーの時代なのだ。普通の猫って両前足をちょこんと揃えて座るのに、この猫は両前足をぐっと開いて座っててなんともよい塩梅なのが気に入ってる1枚。

座った姿が任侠猫っぽいので気に入ってる。2001年8月 カシオ QV-4000

 最後はニコン。回転レンズシリーズの新作COOLPIX 995から。このシリーズは好きだった。今、COOPIX P950ってカメラがあるけど、「P」がついてるだけで全然関係ないのである。写りも良かったし、きゅっと捻るとレンズが回転するので猫目線で撮りやすかったのである。

陽射しがいい感じにあたったおかげでキリッと撮れた。当時のコンパクトデジカメでもこのくらい撮れたのである。2001年5月 ニコン COOLPIX 995

 家にこもって昔の写真を振り返るシリーズ第2弾は19年前。まだSDカード登場前で、記録メディアもスマートメディア・メモリースティック・コンパクトフラッシュ……、さらにフロッピーディスクや8cmCDのカメラもあったという今から考えるとほんと黎明期ならではの面白さに溢れてましたな。

 それにしても、19年前に撮影して今なお存命の猫がいるってのはすごいことである。

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筆者紹介─荻窪圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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