貸付リスクを生体情報で分析する技術など、世界選りすぐりのベンチャーがプレゼン
NTTデータ「第10回豊洲の港から presents グローバルオープンイノベーションコンテスト」レポート
金融サービス企業が金融機能(リスク負担機能)を実現することを支援
「Digital Fineprint」
ロンドンのDigital FineprintからはCEOのエリック アブラハムサム氏が登壇した。Digital Fineprintは、企業に関するさまざまな情報を集約したデータ資産を提供することによって、金融サービス企業が金融機能(リスク負担機能)を実現することを支援している。
エリック氏はツイッター社で働いていたが、Digital Fineprintの着想を得て、3年前に起業。そこから3年間で710万ドルの資金調達を実現した。
Digital Fineprintは小規模企業のデータをウェブスクレイピングで集め、金融機関のデータと合わせ、リスクのスコアを算出。APIを介したり、ソフトウェア統合を通じたりして、顧客に提供している。
GoogleライクなBIツールを提供「Looqbox」
サンパウロのLooqboxからはCEOのロドリゴ ムルタ氏が登壇。LooqboxはGoogleライクなBIツールを提供することで、誰でも簡単に企業の情報検索をできるようにしている。先週の売り上げが知りたいなら、「sales last week」と入力すればすぐに表示されるのが特徴。
すでに多数の企業に導入されており、たとえばブラジルで一番大きな小売業者であるviavarejoでは、2万1000人以上のユーザーがLooqboxを利用し、製品情報や注文情報の検索に活用しているという。
GoogleライクなBIツールを提供「CPC Analytics」
バンガロールのCPC AnalyticsからはCo-Founderのサヒル デオ氏が登壇した。同社は、顧客のシステムとそれを支えるデータが公正であり、かつ説明責任、透明性、説得力のあるものに昇華させるプラットフォームを提供している。
現在は金融と医療、保険の3領域に注力しており、これらの企業のアルゴリズムを監査し、データアナリティクスとパブリックポリシーの間をつないでいる。
たとえば、あるロボアドバイザーになぜその投資を勧めたのかが理解できないというクレームが出たので、そのフィンテック企業からの依頼で、投資のブラックボックスを解く支援もしたという。
非構造化データから洞察を生み出すことができるプロダクトを提供
「KlearStack」
バンガロールのKlearStackからはCEO サイトフル アッシュトッシュ アディナット氏が登壇した。KlearStackは非構造化データから洞察を生み出すことができるプロダクトを提供することで、利用者が非構造化データ活用によりさらなる競争力を発揮することをサポートしている。
さまざまなドキュメントの8割は非構造化データなため、データから意味のあるインサイトを得ることが難しく、ワークフローを自動化させにくくなっている。KlearStackでは、機械学習の技術を使うことで、テンプレートなしでデータを抽出できるのが特徴。
KlearStackには5つのユースケースがあり、請求情報と注文情報のふたつはすでにローンチされている。3つ目がレシート情報で、数週間以内にローンチ予定とのこと。4つ目と5つ目が、外国為替と経費に関する不正検知で、すでにプロトタイプを開発中。すでに4社のクライアントに導入され、10社でPoCが進行中だそうだ。
データ漏洩防止などのセキュリティソリューションを提供
「Edgewise Networks」
ボストンのEdgewise NetworksからはFounder and CEO ピーター スミス氏が登壇した。Edgewise Networksは機械学習を活用したゼロトラストテクノロジーにより実現された、データ漏洩防止などのセキュリティソリューションを提供している。
「これまでの30年間、みなさんのデータはファイアーウォールで守られていました。簡単に言うと、最新のインフラはファイアーウォールでは守れません」とスミス氏。
Edgewise Networksでは自動でネットワークセグメント化し、ポリシーを展開するゼロトラストテクノロジーで攻撃者の侵入を防止する。ネットワークのセグメント化は時間のかかる作業だったが、Edgewise Networksなら1クリックで済むのが特徴だ。
AIとロボットを活かした次世代型倉庫を実現するソリューションを提供
「Dorabot」
深センのDorabotからはブランディングマネージャーのメーブ ジャン氏が登壇した。DorabotはAIとロボットを活かして、次世代型倉庫を実現するソリューションを提供している。社名のDorabotは、「ドラえもん」から取っているとのこと。
世界ではEコマースが延びており、荷物の流通量が増えている。同時に、高齢化社会になりつつあり、肉体労働ができる人口が減ってきている。そこで、その代わりになるのがAIロボットの「Drabot」という。
Drabotは顧客から倉庫で使っているERPなどのデータをもらい、ミドルウェアで最適化し、ロボットに作業させる。1時間に1000個の荷物をほぼ100%の精度で仕訳できているという。さらには、輸送もできるし、パレットにキレイに積み込むことも可能だ。