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いま聴きたいオーディオ! 最新ポータブル&ハイエンド事情を知る 第16回

これ1台でいいかも、豊富な機能で音のいいプレーヤーFiiO「M11 Pro」はオススメできる【更新版】

2020年03月12日 20時30分更新

文● ASCII

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これ1台で足りる多機能さ! 足りないことはないのでは?

 以上から、同じM11という名前を使いつつも、内部的にはかなり大きな進化を遂げたのがM11 Proとなる。その一方で、多機能性についてはM11同様、このクラスでは畢竟のものとなっている。

 例えば、ヘッドホン出力を3系統備える点は他ブランドではあまり見かけない特徴。一般的な3.5mmミニジャックに加え、2.5mm4極のバランス駆動用端子、4.4mm5極のバランス駆動用端子を持つため、いま市場に出回っているイヤホン用のケーブルは何でもOKだ。ヘッドホン端子は、ラインアウト端子や同軸デジタル端子としても利用できるので、Hi-FiコンポのシステムやAVアンプなど据え置きシステムとの連携もしやすい。

右に3.5mm、左に4.4mm、そして4.4mmのとなりに2.5mmの端子が用意されている。同じバランス駆動でも4.4mmと2.5mmでも音に違いが出るから不思議。

 また、ワイヤレス接続についても、Bluetooth標準コーデックのSBCのほか、aptX/aptX HD/LDAC/LHDCなど、ハイレゾ伝送系の高音質コーデックを網羅。組み合わせるヘッドホンも、よりどり見取りの仕様となっている。以上はM11 Proで再生した音楽をヘッドホンやアクティブ・スピーカーなどに送信する場合の仕様。

 さらに、M11 Proでは、スマホなどで再生中の音をM11 Proに飛ばして、高級な有線イヤホンで高音質に聴くこともできる(Bluetooth受信機能)。最近では、小型で高音質なBluetoothレシーバーが増えているが、同等の機能を、より高音質な再生機で利用できることになる。

右のiPhoneで再生中の音を、左のM11 ProにBluetoothで伝送して再生している。

 このBluetooth受信機能は、なかなか重宝する。ハイレゾプレーヤーは高音質な反面、やや取り回しに不便な面もあるが、M11 Pro本体の出し入れ不要で利用できるので、選曲操作はスマホだけで完結するためだ。ヘッドホンを接続する、M11 Pro自体はジャケットの内ポケットやズボンの尻ポケットの中、あるいは腰などに常に付けておき、基本操作せずに済む。有線接続での再生時にプレーヤーを出し入れすると、ケーブルの取り回しが煩雑になるが、外出前に位置を1回決めれば、それでOKだ。なお、送信時(ヘッドホンとの接続)とは異なり、受信時(スマホとの接続)に利用できるコーデックは、SBC/LDACのみとなる。iPhoneとの接続時はSBCのみとなるが、AirPlayにも対応するので積極的に利用していきたい。

 スマホとBluetoothでつなぐ際には、インターネット接続の共有もできる。つまり、外出先で、ちょっと音楽ストリーミングサービスを利用することもできるわけだ。M11 Proは、Androidベースの製品であるため、SpotifyやYouTubeを始めとした音楽/動画ストリーミングサービスの再生も可能だ。さらに、最新アップデートで「Google Play」への対応が再開したのも朗報と言える。アプリ追加が非常に簡単になった。

USB DACモードで利用中

 これ以外にも、USB DACモードにしてPCで再生中の音源を聴いたり、逆に高音質な外部DAC と接続し、M11 Proで再生中の曲をUSB出力できる。

 また、Wi-Fi機能を利用して、NASなどに保存したハイレゾ音源をネットワーク再生といった形で他の機器との連携もでき、パーソナルオーディオ環境でいま考えられる再生スタイルは、これ1台でほぼ全部網羅できる形になっている。これが10万円をだいぶ切る価格で買えるというのは驚きだ。この多機能性だけでも、非常に競争力の高い機種になっていると言えるのではないだろうか。

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