いま聴きたいオーディオ! 最新ポータブル&ハイエンド事情を知る 第17回
ポータブルの域を超えた、高性能・高機能のネットワークプレーヤーが誕生
これぞ完成形、CHORD「Hugo 2」+「2go」のタッグのすごい機能を紹介 (1/7)
2020年04月06日 13時00分更新
君はヘッドホンマニアあこがれの存在「Hugo 2」を知っているか?
イギリスに拠点を置くChord Electroniscの「Hugo 2」は、ヘッドホン再生などパーソナルオーディオのファンにとって、特別な存在と言える。
サイズ的には、A6判つまり文庫本よりも一回り小さい程度(幅132×奥行き97×高さ23mm)で、ジャケットのポケットに入れて、十分持ち運べるサイズだ。このサイズながら、非常に高音質かつ高性能な製品になっている。2017年の発売から3年近い時間が経過した現在でも、音のいいUSB DACやヘッドホンアンプを探す人にとって最適解のひとつになっている。
Hugo 2はデジタル信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバーターと呼ばれる種類の製品だ。その特徴は、WTAフィルターと呼ばれる、独自開発のデジタルフィルターなどを用い、オリジナル開発したDAC部だ。
オーディオ用DACの開発にはノウハウが必要で、ごく一部を除き、バーブラウン、シーラス・ロジック、ESS Technology、AKMなど限られたメーカーが提供するDAC ICを買って搭載している。Chordの製品は、デジタル信号をアナログ信号に変換する部分を自社開発する、このわずかな例外だ。興味のある人は過去の記事も参照してほしいが、DAC ICの汎用品では得られない、内部では高速かつ高精度な処理が行われ、非常に正確なタイミング情報を得ることができる。
本体にはMicro-USB、同軸デジタル(3.5mm)、光デジタル入力を備えている。入力可能な信号はPCMの場合768kHz/32bitまで、DSDの場合22.4MHzまで(ともにネイティブ再生に対応)と非常にハイスペックで、aptX対応のBluetooth接続機能も持つ。また、高出力なヘッドホンアンプを内蔵しているが、アナログ出力も持つため、パワーアンプやスピーカーと組み合わせ、据え置きシステムの中でも活用できる。
また、Hugo 2はバッテリー(2600mAh/3.7V)も内蔵しており、公称で約7時間の範囲であれば電源なしで利用できる。ノートパソコンなどソース機(プレーヤー)を別途用意する必要はあるが、ポータブル用途でも活用できる製品なのだ。
難点があるとすれば、20万円を超えるなかなか手の出しにくい価格ぐらいだが、スペックを考えれば、これもどこか納得できてしまう面がある。操作方法にはちょっと癖はあるが、SF映画に出てくるような独特の外観は質感が高く感じられるし、何より滑らかで非常に解像感の高いサウンドにはほれぼれとしてしまう。ほかにない魅力を持った製品なのだ。
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