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いま聴きたいオーディオ! 最新ポータブル&ハイエンド事情を知る 第16回

これ1台でいいかも、豊富な機能で音のいいプレーヤーFiiO「M11 Pro」はオススメできる【更新版】

2020年03月12日 20時30分更新

文● ASCII

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見た目は似ていても内部は別物

 さて、M11 Proを紹介する前段として「M11」についても触れておきたい。M11は昨年前半に登場した非常に多機能な機種だった。記事を執筆する立場として興味深いのは、3.5mm、4.4mm、2.5mmの3種類のヘッドホン端子を装備している点。端子の違いによる音の変化なども楽しめ、レビュー執筆などに重宝するスペックとなっていた。

 M11 Proは、このM11のアンプ部を変更したもの。THXの特許技術AAA-78回路をフルバランス構成で使用、持ち味であった多機能に加え、音質チューニングにも磨きをかけ、日本市場で好まれそうな、高域が伸び、解像感の高さも感じさせるサウンドに進化している。

 同時にデジタル信号をアナログ信号に変える重要デバイスであるDAC ICを「AK4493EQ」から「AK4497EQ」(ともにデュアル構成)に変更した。マスタークロックも44.1kHz系と48kHz系の2系統(リバーエレテック製)を揃えている。DACの消費電力が増えるため、内蔵バッテリーの容量も3800mAhから4370mAhに増やした(結果、連続再生時間自体は減っているが、スリープ時のバッテリー持ちは向上している)。

写真はM11。M11 Proと外観は似ているが、内部的には一新されたと言ってもいい。

 また、ボリューム回路についても、従来のデジタルボリュームからアナログボリュームに変更。これはDACからの出力を常に最大音量とし、その性能を引き出すという目的がある。抵抗を使ったアナログボリュームは、デジタルボリュームに比べて特性を出しにくい面もある(特に左右の音量が不均等になるギャングエラーが発生しやすい)が、そこは技術でカバー。音量調節時に発生する誤差を、出力信号をA/Dコンバーターを通して理想的なカーブになるようデジタル補正する技術を入れて、小ステップでも誤差がでにくい仕様にしているそうだ。

ボリューム部。ダイヤル式で操作感もいい。

特性の補正イメージ

 これ以外にも、内蔵メモリーの容量を32GBから64GBに倍増。“PRO”の名にふさわしい機能強化がなされたモデルとなった。サイズは、M11より1mmほど厚い、幅70.5×奥行き16.5×高さ130mm。重量は21g増の232gとなっている。

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