順調な業績のHPE
長らくHPの歴史を紹介してきたが、HPE(Hewlett-Packard Enterprise)に関して言えばこれでほぼ完了である。HPとHPEの分割後、Meg Whitman氏はそのままHPEのCEOとなり、HPの方は会長としてのみ携わることになる。
ただHPの会長は2017年7月に退任。HPEのCEOは2018年2月1日に退任。後任はAntonio Neri氏となったが、これは久々に社内からの昇格である(CEOになる前はHPEのEnterprise GroupのVP兼General Managerを務め、その後COOに昇格している)。

HPとしては初のラテンアメリカ(アルゼンチン)出身のCEOとされる。それはいいのだが、これは公式写真なのだが、むしろ眼鏡をかけた写真の方が親しみやすい気がする
画像の出典はHPEのSenior Leadershipの経歴ページ
Neri氏時代の業績はというと、連載549回で示したように、まぁまぁの水準を保っているとして良いかと思う。
以前連載547回で2016年末までのHPEの株価を示したが、ではその後は? ということでまとめたのが下のグラフである。
HPEの分割直後は8.62ドルほどだった株価は、2018年にはピークで18.35ドルまで上昇。その後は大体14ドル前後を推移している感じになっており、もちろん物足りない株主もいるとは思うが、このレベルを維持しているのはおおむね株主からの評判も悪くないと見なされていると思う。
このようにいろいろ部門を独立させつつ、本当にサーバービジネスに特化した形になったのがHPEであるが、ではHPはどんな具合になったか?
HP本体を支えるのは
やはりプリンター事業
HPEに分離しなかった残りというか本体は、HP Inc.に改称した。CEOは分離前のHPでPPS(Printing & Pseronal Systems)のトップにいたDion Joseph Weisler氏がそのまま就任している。
こちらは事業部門として大きくPersonal Systems(要するにPC全般)とPrinting(プリンターおよびサプライ)の2つから構成される。

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