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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第551回

Arubaにネットワーク部門を吸収されたHP 業界に多大な影響を与えた現存メーカー

2020年02月24日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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基幹ネットワークのみHPE本体に残す

 HPとArubaをどう切り分けるつもりかと思ったら、基幹ネットワークのみはHPE本体(というよりHybrid IT部門)に残し、そのほかは全部Aruba Networks(Intelligence Edge)に片寄するという分け方をした。

 その結果として、売上が連載549回で示した表になったわけだ。

連載549回で示した表

 2018年の年次報告によれば、DC Networking部門は「Top-of-rack switches, Core switches, and Open Networking switches」が主な製品だという。

 Top-of-rack switchとは、サーバールームに林立する19インチラックの一番上(または一番下)に配されるスイッチで、ラック間用あるいはコアルーターとラック内の個別のサーバ類をつなぐためのスイッチである。

 Core Switchというのはエンタープライズの基幹スイッチ(ネットワークの一番根っこのスイッチ)、Open Network SwitchはSDN(Software Define Network)などに基づく、OpenFlowなどに対応したスイッチ(ハード的にはそこらの安い2Pサーバーだったりする)になる。

営業費用をかけないと売れない
ネットワーク製品

 さて、2014年のHPのNetworking部門の売上は26億2800万ドル、一方Aruba Networkの2014年の売上は7億2900万ドルほどの売上となっており、そのまま合算すれば33億5700万ドルほどになるはずなのだが、合併した2015年のNetworking部門の売上は28億4600万ドルにすぎない。

 からくりは2つあり、1つはAruba Networksの売上はProducts(これが5億9500万ドル)とSupport and Professional Service(これが1億3400万ドル)ほどになっており、Networkingに計上されたのは5億9500万ドルのProductsの方で、どうもSupport and Professional ServiceはTechnology Servicesの方に計上されたらしい。

 もう1つは、そもそも買収時にAruba Networksは赤字体質だったことだ(だからこそ買収に合意したのだろう)。

 2010年からの決算をまとめると下表のようになっている。売上そのものは毎年1億ドルづつ積みあがっているし、粗利で言えばかなりいい金額が取れているにも関わらず、営業利益/純利益が赤字、というのはオペレーションの問題である。

2010年からの決算表(単位:ドル)
年度 2010 2011 2012 2013 2014
売上 Product 2億2147万 3億3486万 4億3473万 4億9634万 5億9538万
Support and
professional
services
4506万 6165万 8204万 1億370万 1億3356万
合計 2億6653万 3億9651万 5億1677万 6億0004万 7億2893万
粗利 1億8046万 2億7381万 3億6533万 4億2357万 5億415万
営業利益 -3341万 -475万 1074万 -1202万 -27万
純利益 -3400万 7069万 -885万 -3161万 -2897万

 経費の方を見てみると、まず研究開発費用が売上の20%程度(19.4~23.3%)に達している。これはある意味仕方がないのだが、これにもまして多いのがSales and Marketingの費用で、これが売上の37.7~41.0%とけっこうな費用に達していた。

 HPに比べればずっと小さな企業であるし、冒頭で書いたように競争が激しい市場だけに、それなりに営業費用を掛けてきたからこそ売れてきたという側面があるのは間違いないのだが、逆に言えば営業費用を掛けないと売れなくなる、という見方もできる。

 Support and Professional Serviceの方を別勘定にしても、2014年度分を合算すれば32億2300万ドルほどになるのに、2015年の売上が28億3600万ドルに過ぎないのは、営業経費が買収後にそれほど増えなかった(むしろ絞られた)から、という側面があるように思う。

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