フェイクにだまされない客観的な視点を持とう
「フェイク」のコンテンツによる脅威は無視できない。誰もが動画や写真気軽に投稿すれば、あっという間に世界に広がっていく時代。ニセの写真、テキストが拡散することによる被害は大きなものとなる。
この情報を投稿したのは誰か、記事内のリンクは信頼できるか、そして、このコンテンツを共有するべきか。以上のことを、情報の受け手はしっかりと判断する必要がある。客観的に書かれたコンテンツなのか、主観的なものなのか。もちろん、後者が悪いわけではない。その正誤について、しっかりと判断する意識が必要なのだ。
安易に情報に飛びつかず、正しい情報かどうか、一人ひとりが精査する心がけを持ちたい。あまりにも悪質なコンテンツに関しては、正規の問い合わせ窓口から通報することも考慮するとよいだろう。
これは、大人が自分で判断するだけではなく、子供に対してなにかを教えるときも、忘れてはいけない視点だ。どのメディアが信用できると思うか、あるいは、なぜそのニュースを知ったかなどを、よく話し合う必要がある。SNSで流れてきた情報を鵜呑みにせず、きちんとチェックする姿勢を教えたい。一方的に押し付けるのではなく、よく話し合い、判断させる心構えを伝えることが肝心だ。
今回は、McAfee Blogの「オンラインの真実はどこに? フェイクニュースについて子供たちと会話を」を紹介しよう。(せきゅラボ)
※以下はMcAfee Blogからの転載となります。
オンラインの真実はどこに?
フェイクニュースについて子供たちと会話を:McAfee Blog
政府やメディアは、今やフェイクニュースにより信頼を失いかねない状況にあります。そんな中私たちは、オンライン空間で非常に多くの時間を過ごしている子供たちに、真実と架空のものとを区別する方法を理解させておくことがこれまで以上に重要になってきています。
誤報やデマの広がりはどれほど危険でしょうか?ある調査によると、フェイクニュースを見る人の75%はそれが本物だと信じています。この見分けがつかないことは、ストーリー、写真、ソーシャルポスト、または電子メールなどの誤った情報が、野火のようにオンラインで広がるフェイクニュースのもっとも特徴的な点です。
フェイクニュースの信頼への影響
2019年のピュー研究所の研究は、アメリカ人がフェイクニュースをテロ、違法移民、人種差別、性差別に関する米国のより大きな問題としてランク付けし、フェイクニュースの拡散が国家に「重大な害」を引き起こしており、止める必要があると考えていることを明らかにしました。
問題の根本にあるのは、あまりにも多くの情報源から私たちに届くニュースが多すぎるということです。確かに、何百万人もの人々がその情報を共有しており、彼らは多くの場合、事実よりも感情によって動かされています。
著者およびデジタルリテラシーの専門家であるダイアナ・グラバーによると、今日の親の最も重要な役割の1つは、オンラインで出会うコンテンツを評価し、見分けることを子供に教えることです。
「子供たちがオンラインで見たり読んだりするものすべてが、信頼できるものとは限らないということを知っておく必要があります。オンライン情報を評価するにはどうしたらよいかを彼らに教えていきましょう。子供たちの学校がデジタルリテラシーを教えていることも確認してください 」とグラバー氏は言います。
子供たちはソーシャルネットワーク、チャットアプリ、ビデオでフェイクニュースに出会い、共有します。グラバーによれば、AI技術が進歩するにつれて、ビデオの役割はフェイクニュースチャンネルのようになる可能性があると言います。
「ディープフェイクビデオなどのビデオの改ざんは、今後注目すべき非常に重要な領域だと思います。子供が消費するメディアの多くは視覚的であるため、視覚的リテラシースキルを習得することも重要です」とグラバー氏は言います。
フェイクニュースの隠れたコスト
12月のFacebookのポストでは、白いバンを運転している男性は人身売買の組織化されたネットワークの一部であると人々に警告し、いくつかのソーシャルネットワークで急速に広まりました。
最終的に、法執行機関はこの投稿を偽物として公開しました。人々はそれを知って落ち着きましたが、結果的に多くのものが失われました。偽の投稿は何度も共有されたため、共有される中で信用を失った人もいます。
虚偽の投稿はデジタルパニックを引き起こし、私たちのセキュリティとコミュニティの感覚に不確実性を投げかけました。この投稿にはコストがかかりました。虚偽の情報は、調査することを選択したいくつかの法執行機関のリソースを占有しました。信頼は失われ、いくつかの都市では、この件が夕方のニュースで取り上げられました。
フェイクニュースの拡散は、賢明な情報に基づいた意思決定を行う能力に影響を与えます。周囲の人々や情報に真実を期待することが出来ず、懐疑心に苛まれるかもしれません。
ウイルスのように広がるフェイクニュースは強力です。それは、重要な健康問題に関する私たちの意見に影響を与える可能性があります。企業や株式市場に損害を与え、個人的な評判を台無しにする可能性があります。
同じピュー研究所の研究では、その他の悪い影響として、コミュニケーションについて調査しました。回答者の54%近くが、他の人と会話をすることを避けていると答えました。相手が、真実ではないニュースを会話に持ち込む可能性があるからです。
最大の損失は、このように真実を見分けるのが難しいとき、私たちは皆、情報がない状態になり、個人的および文化的な進歩に対しても、障害が発生することが考えられます。
家族と話す際のポイント
ここでは、フェイクニュースについて家族で会話をすべき3つのデジタルリテラシー用語の定義と会話のヒントをお伝えします。
1.フェイクニュース
PolitiFactが提供する定義では、「フェイクニュースは、フィクションを信じさせたい大勢の視聴者に、オンラインで簡単に広まる信頼できるジャーナリスティックなレポートのように、巧妙に操作されたもの」とあります。フェイクニュースは、そのストーリーの登場人物や企業とそれを共有する人々の信頼性を傷つける可能性があります。内容の薄いコンテンツやうわさ、一方的な見方をしたコンテンツなどで世の中に知られることを誰も望んでいません。家族と会話する際には、あなたの子供と一緒に座り、お気に入り、ソーシャルネットワークをスクロールして、投稿やストーリーを読んでください。そして、どのニュース記事に関心がありそうか、聞いてみましょう。またある情報を見て”この情報を投稿したのはどんな人だと思うか”とか、”記事内のリンクは信頼できると思うか”、”このコンテンツを共有するか、するとしたらなぜか”などを会話しましょう。
2.客観性
”個人的な信念や感情の影響を受けない事実に基づくコンテンツやメッセージ”である客観性を理解することも重要です。ニュース記事は客観的(意見のない)である必要がありますが、意見による記事は主観的なものです。情報(または人)が 主観的な場合、個人的な視点、感情、意見を特定できます。情報(または人)が 客観的である場合、意見は含まれず事実に基づいています。客観的コンテンツと主観的コンテンツを認識するよう子供に理解させることは大切なことです。新聞も良いですしオンラインニュースでも、フロントページのニュース(ただし事実のみが含まれている記事)を子供と一緒に読んでください。エッセイや特集記事など別のページに移動して、トーンとコンテンツの変化について説明し、理解を促していきましょう。
3.識別力
”人、コンテンツ、状況、物事を適切に評価する人の能力”と定義される識別力。この識別する能力は、意思決定の中核です。真実とフィクションをオンラインで区別するには、真実を識別できる批判的思考者である必要があります。クリティカルシンキングスキルは時間の経過とともに発達するため、成長とともに向上します。Fake NewsについてCyberwiseのこのビデオをご覧ください。一緒にGoogleで最新のニュースも見てみましょう。異なるニュースサイトが同じニュースストーリーをどのように扱っているかを比較するのも有効です。子供たちに、”見出しはどう違うか”、”バイアスかかっていると思うか”や、”どのストーリーを信頼できると感じるか”、また、”自信を持って共有できるニュースは”といった質問を投げかけながら、話す機会を増やしましょう。
オンラインでのフェイクニュースの増加は、世間全体に影響を与えるものです。ただし、適切なツールを使用して、反撃し、信頼を回復することは可能です。このシリーズのパートIIでは、フェイクニュースサイクルにおける個人的な責任と、フェイクニュースを識別する具体的な方法について説明します。
※本ページの内容は、2020年1月18日(US時間)更新の以下のMcAfee Blogの内容です。
原文:Where’s the Truth Online? How to Build Your Family’s Digital Discernment
著者:Toni Birdsong
※本記事はアスキーとマカフィーのコラボレーションサイト「せきゅラボ」への掲載用に過去のMcAfee Blogの人気エントリーを編集して紹介する記事です。
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