業界人の《ことば》から 第379回
エンタープライズに適さないというイメージを払拭したい
デル社長を務めた平手智行氏がグーグル・クラウド・ジャパン代表に、抱負を語る
2020年02月20日 09時00分更新
米国ではオラクル出身のCEOが誕生
米国のGoogle Cloudでは、2019年1月に、米オラクル出身のトーマス・クリアン氏がCEOに就任。それ以来、エンタープライズビジネスを強化する動きが加速している。
「エンタープライズを長年経験した人材や、エンタープライズを深く理解している人材が相次いで、米Google Cloudに入社している。プリセールスからポストセールスまで、エンタープライズ事業の経験が長い人材が増えている」とし、「日本の市場は、グローバルのなかでも最重点市場に位置づけられている。今後、大幅な人員増強と、社員のスキルの拡充を行っていくことになる」とする。
エンタープライズ分野で長年の実績を持つ平手氏の代表就任も、そうした流れのなかでのトップ人事だといっていいだろう。
「30年以上に渡って、エンタープライズのお客様に育てていただいた経験と、大型システムに携わってきた経験。そして、新たなテクノロジーに関する知見を融合することで、日本のお客様に価値を届けたい」とする。
また、インダストリー別の組織体制を強化し、業界特有のレギュレーションの理解や、業界の課題や業界の変化も理解したソリューションも提供できるとする。
そして、日本におけるエンタープライズビジネスの拡大において、重要な役割を果たすのが、パートナー戦略である。
「グーグル・クラウドは、クラウドネイティブのSIパートナーとの結びつきが強いが、エンタープライズ系のSIerとの連携は、これから強化していく必要がある。また、コンサルティングファームとの連携も強化しなくてはならない。SIerの力を借りることが、Googleが持つ技術を、エンドユーザーに、価値として提供することにつながる。これからは、日本の大手SIerや、コンサルティングファームとの連携も強化して、日本のエンタープライズユーザーに、Googleのテクノロジーやアーキテクチャーを活用してもらいたい」とする。
平手代表による新体制とともに、技術や製品の充実、社内体制の強化、パートナーの連携によって、グーグル・クラウドは、日本での新たな成長戦略を開始しようとしている。
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