業界人の《ことば》から 第379回
エンタープライズに適さないというイメージを払拭したい
デル社長を務めた平手智行氏がグーグル・クラウド・ジャパン代表に、抱負を語る
2020年02月20日 09時00分更新
今回の言葉
「地球規模で広く利用されているGoogleのテクノロジーを、日本のエンタープライズユーザーに活用してもらいたい。それによって、日本の企業の競争力を高め、日本の企業を元気にする」
エンタープライズユーザーが抱くグーグルへの偏見とは?
デルの社長などを務めた平手智行氏が、2019年11月1日付けで、グーグル・クラウド・ジャパンの代表に就任。平手代表は、笑顔を見せながら、「この仕事が携われることにワクワクしている」と語る。
グーグル・クラウドの課題は、エンタープラズユーザーの拡大だといえる。
Googleが提供する検索、地図情報をはじめとする各種サービスは、コンシューマユーザーにとっても、ビジネスユーザーにとっても、インターネットを利用する際に欠かせないものとなっているが、その印象が強すぎる分、大手企業や中堅企業においては、グーグル・クラウドは、エンタープライズクラスのシステム構築においては、使いにくいサービスでないのか、というイメージが先行している。
また、Googleは、すべての技術をOSSの概念に基づいてオープン化し、デベロッパーとのコミュニティ形成に力を注いでいるものの、それも逆にエンタープライズユーザーとの間に距離を作ることにつながっている。
だが、平手代表は、「エンタープライズユーザーに向けて技術を提供するプロセスや、パートナーエコシステムが十分ではなかったという反省がある」としながらも、「Googleが提供している検索サービスなどは、地球規模で利用されているものであり、堅牢で、安全に稼働し、遅延がないシステムを運用している。地球規模のシステムを動かすために作ってきた卓越した技術があり、これを、サービス、ソリューションとしていう形で、エンタープライズユーザーに活用してもらうことができる。グーグル・クラウドは、エンタープライズが求める堅牢性がなく、活用には適していないという誤解を払拭したい」とする。

この連載の記事
- 第424回 教育分野での存在感高まるグーグル、CEOもChromebook/仮想授業の広がりに驚き
- 第423回 廃校や寺、城、無人島まで、あらゆる場所を15分単位で借りられるSPACEMARKET
- 第422回 コロナ禍でオフィスはどう変わったか? 大塚商会の決算から垣間見えること
- 第421回 コロナ禍が変えたPC市場とは? 日本HP、岡社長の言葉から
- 第420回 アイリスオーヤマがロボット事業に本格参入、B2B Robot as a Service
- 第419回 紙のメモを再発明する「Croqy」、クラウドが紙の欠点を補う
- 第418回 世界最軽量を更新した「LIFEBOOK UH-X/E3」。重量634gが持つ裏の意味とは?
- 第417回 見えざる家事からの解放、コネクテッドになっても変わらない日立家電の思想とは?
- 第416回 NECに22年ぶり文系出身社長誕生、異例と考えられる背景は?
- 第415回 パナソニック次期社長に楠見氏、過去にDIGAやdボタンの開発も
- 第414回 Dynabook35年の節目、リモートワーク時代のPC標準目指す「Remote X」とは?
- この連載の一覧へ